【キーボード】HHKB Studio の感想

Happy Hacking Keyboard の新作が出た。

 

from happyhackingkb.com

つよそう

 

製品仕様をみて適当に思ったことを書き散らしていく。製品の仕様レビューではないので注意。

 

 

メインコンテンツ

HHKB Studio はアメリカの開発拠点で立案され、製作されている。それだけに、既存の HHKB とは違った革新的な機能がどんどん追加されている。

 

各種インターフェースの搭載

HHKB Studio は、文字入力用のキーのほかに以下の機能を備えている。

方針としては ThinkPad キーボードに近い。それに加えてタッチパネル式のアナログデバイスを追加して、より快適にパソコン操作をできるようになっている。単なる文字入力機器を超えて、コックピットのようである。

 

カニカルスイッチ

HHKB Studio には、自社製のメカニカルスイッチが搭載されている。ホットスワップにも対応しているので、好きなキースイッチに換装することも可能。

デフォルトのスイッチは作動押下圧 45g のリニアスイッチのようだ

HHKB といえば今はすっかり東プレ軸で有名だが、打鍵感と耐久性の向上という目的で考えれば、ホットスワップ対応メカニカルという選択肢も十分に考えられる。そういうわけでおれの感想は「まあそういうのもアリだよね~」という感じ。「静電容量無接点方式こそ HHKB のアイデンティティ」というのは言いすぎだと思う。

そういえば、この軸を採用したことでキーキャップの着せ替えも楽しめる。もっとも 6.0u のスペースバーを探すのは大変だけれども。

 

キーリマップ

キーマップ変更ソフトウェアでは現行シリーズにもリリースされているが、こちらのほうが自由度が高い。

HHKB Studio のキーリマップは複数キーの同時押し、いわゆるマクロ機能に対応している。これは便利そうなので、通常版キーリマップツールもアップデートを加えてくれたらうれしい。

しかも、 Fn レイヤーが 3 つ存在する。これとマクロ機能を併用することで、より多くのショートカットを手元で実現することが可能。もっとも、ただでさえコンパクトな本体にさらに独自配列でキーを削った HHKB にどうやって Fn キーを 3 つも埋め込むのかは不明。賢いユーザーによる使い方解説を待ちたいところ。

 

そのほか

製品を見ていて気になったことまとめ。特に、現行シリーズのフラッグシップである HYBRID Type-S との相違点をチェック。

 

印字が中央に

印字が新しくなった。アルファキーや数字キーの印字は中央ぞろえ、その他のキーは左下・右下に名前がついている。雪でも取り入れられていたデザインである。

現行の左上刻印もクラシカルで悪くないが、これはこれでスタイリッシュでいいと思う。

 

電池ボックス

現行シリーズでおなじみの出っ張った電池ボックスがなくなっている。それができるならはじめからやってほしかった。

 

電源スイッチ

ボタン式ではなく、スライド式スイッチになっていた。

左がスライドスイッチ、右が USB-C 差し込み口

ボタン式よりこちらのほうが、電源が入っているかどうかがわかりやすい。ただ「一定時間無操作だと勝手に電源が落ちる」という仕様とは相性が悪そう。

 

重量

英語配列の場合、重量は 840g (電池なし)。けっこう重たい。

ここに単三乾電池が4本入るので、総重量は 900g ほどになる。持ち運ぶには多少きつい重さに感じる。

 

お値段

税込み 44,000 円。

 

タカスギ~~~~~~~~ィ↑~~~~~~~~~

 

ドル換算にすると送料含めてだいたい $300 程度になるのだろうか。決して安くはないけども、海の向こうのプログラマがもらっている給料を考えると、これでも売れるんだろうなと思ってしまう。

にわかには信じがたいが、現在公式ダイレクトストアには在庫がない。

 

まとめ

総じて欧米版HHKBだな~という印象を受けた。

機能をいっぱい持たせるという流れは、文字入力の快適性を追求するいままでの進化とは方向性を異にしている。HHKB には「必要なもの以外を徹底的にそぎ落とす」というある種のミニマリズムを感じるが、こんどの HHKB Studio には「考えられるものをいっぱい突っ込む」という姿勢がみえる。

ただ、「馬の鞍」というコンセプトはしっかり貫通していて、それを実現する方法が違うだけなのかな~とも感じた。ポインティングデバイスを載せたのもホットスワップ対応メカニカルに切り替えたのも、自分の手に合うキーボードを長く使っていく、という思想には合致している。

 

先ほど公式からツイートがあった通り、HHKB Studio は現行シリーズの後継品ではなく、あくまで変種とのこと。ミニマルでソフトタッチの HHKB がなくなるということはないので一安心である。

 

https://x.com/PFU_HHKB/status/1717075883096240222?s=20ただ、Studio で見せた変更点のうちよかったものは、次回以降の「本シリーズ」にも取り入れてほしい。思えばいまの HYBRID Type-S も旧 BT と 旧 Type-S の統合によって生まれた製品といえる。Studio やのちに出る新製品の成果がマージされて現行製品がよりブラッシュアップされればうれしい。まあ、それが出るのはもっとあとのことだろうけど。