こんにちは。
今回は本を読んでいて気づいた、読みやすい、あるいは「見やすい」文章について思うところをまとめました。体系立てて、というよりかは、気になったところの備忘録といった感じです。
段落頭の処理
段落頭は通常「改行 + 一字下げ」が原則です。ところが最近では、これの代わりに「1行空け、字下げなし」のフォーマットがよく見られます。これも読みやすく良いデザインだと思います。ブログにおけるフォーマットは、どちらを採用してもよいでしょう。
そのうえで、自分はなおも「改行 + 一字下げ」にこだわっています。大きな理由として、意味を大きく分ける際に1行空けを用いるからです。新しく見出しを立てるほどでもないが、少し話題を転換したい、そんなときに1行空けを使っています。
太字はゴシック体で
文庫本をはじめとする多くの本では、強調の手段として太字が用いられています。よく見てみると、明朝体で書かれた文章でも、太字の部分だけはゴシック体が使われていることに気が付くでしょう。これは、太字の明朝体が読みにくいからです。
明朝体は、主に横画が細く、縦画が太く作られています。これを太字にすると、細い部分がそのままに、太い部分はより太くなります。このため、細い部分が見にくくなり、読みにくくなってしまうのです。
実際に文書を作る場合には、「同じ種類のフォント」を組み合わせると良いでしょう。小塚・ヒラギノ・游書体など有名な書体では、明朝体・ゴシック体をセットで公開しています。太字にゴシックを使う場合には、もとの明朝体と同じ書体からゴシック体を選ぶと、見た目が自然になります。
文書の作成で太字を使う場合には、地の文の明朝体に合わせて、ゴシック体を使いましょう。
文字色は一色が理想
ブログやWebサイトなどインターネットの文書では、赤色での装飾がよくなされます。しかしながら、真っ赤な文字は個人的には目がチカチカして読みにくいなと感じます。強調の場面では、できるだけ太字を使うとよいでしょう。もし赤字での強調をしたい場合は、
- 特に目立たせたいここぞという場面でのみ
- ビビッドな赤色ではなく、少し暗めの赤色を使う
ことで、読みづらさを保ったまま、効果的な装飾ができるようになります。
さらに、黒を含めて3色以上の多色による装飾は、得てして読みにくいものです。文字に色彩をつける表現は、しないでできるならしないほうが無難だと感じます。
フォントスタイルと読みやすさ
明朝体のフォントを大きく2つに分けると、オールドスタイルとニュースタイルがあります。詳しくはこちらのサイトがわかりやすいでしょう。
ざっくりと説明すると、
という特徴があります。
オールドスタイルの文字にある飾りは確かに味わい深いですが、長文を読むときにはかえってノイズになってしまいます。ですから、できればニュースタイルの明朝体を用いたいですね。
最近では、岩波、講談社、中央公論など有名な新書ではニュースタイルの明朝体が用いられているように見えます*1。
以上、今回は文章の「見た目」に関する細かな話のまとめでした。ここらへんも体系的にまとめられたらなあ、というように考えています。
読んでいただき、ありがとうございました。
*1:残念ながら、使われているフォントの名前を知らないので断定はできませんが……。