【雑記】Twitterで人気の「手を貸す謎」・徹底解剖【10万いいね超】

  今日の記事はこれについてです。

 

 

 

謎のヒント・解答・解説

 まずは改めて、読者のみなさんにこの謎、人呼んで「手を貸す謎」を解いていただきましょう。

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こちらです

 

 謎のヒント・解答・解説を、下に白文字で示します。読みたい部分の【 】内をドラッグすると読めるようになります。

 

ヒント1: 【漢字に「手」を貸すことで、右側にあった読み方ができます。?を上から順に読むことも忘れずに。

 

 

ヒント2: 【漢字の左側に、「手へん」をつけて読んでみましょう。

 

 

解答: 【ささえあい(支え合い)

 

 

解説:【それぞれの漢字に「手へん」をつけることによって、「指す」「捌く」「描く」「扱う」「挑む」となり、「す」「ばく」「がく」「つかう」「どむ」と読むことができます。?に入る文字を上から順に読むと、「ささえあい」となります。

 

 

 以上、謎の解答・解説でした。

 しかし、これだけ人気を博した謎解きに、ただ答えを示すだけじゃもったいない。私自身、とある謎解き制作に少しばかり携わった経験があります。せっかくなので、この謎がTwitterでも人気となったいくつかの要因を、元謎制作者の目線から考えてみることにします。

 

「手を貸す謎」のここがスゴイ!

※この章はネタバレを含みます。必ず謎を解くor解答を確認してから読んでください。

  • 見た目がシンプルかつ美しい
     たった一枚の画面で、「おもしろそう!」と思わせる謎に、見た目のシンプルさは欠かせません。あまりにもゴチャっとした見た目では、「わからなさそう……」という印象を与えてしまいます。その点で、この「手を貸す謎」は、実にシンプルな構造で、一見して「解けそうだ!」という気持ちを起こし、見る人の興味をひきます。
     さらに、左側の漢字は「漢字1文字+送り仮名」で統一され、イコールもきれいに縦に並んでいて、?の位置も同じく規則正しく並んでいる、というように、整ったデザインになっています。シンプルさとは別に、こうした「見た目の美しさ」は、謎を解く人を遠ざけないための重要な要素です。

  • 一度「失敗」させる工夫
     この謎を見て、ほとんどの人が行うであろう最初の行為は、「左側をそのまま読む」というものです。それもそのはず、左側に並ぶ「旨」「別」「苗」「及」「兆」は、どれも日常生活で見かける、読める漢字ばかりだからです。しかし、ついている送り仮名もおかしければ、右側にあてはまるように読むことができない。ここで解く側は「失敗」を経験します。そうして、どのようにしたら読めるようになるかを考えていきます。
     この謎では、解く人の思考が非常にきれいに誘導されています。普通の謎解きでは、「まず何をするか」を考えます。謎解きに慣れていない人は、「何をすればいいかわからない」となり、問題を投げ出してしまうことも少なくありません。ところが、この問題では、見慣れた漢字を用いることで、まず「そのまま読んでみよう」と思わせます。そして、失敗を経験させることで、解く人の思考は「どうしたら読めるようになるか」というように流れます。このようにして、問題それ自身が解く側に「思考を一歩進める」ように促しているのです。

  • 問題と解答でストーリーができている
     この問題では、「手を貸してあげれば、答えがわかります」という文が、問題を解く上での核心的なヒントになっていました。そして、最後の答えは「ささえあい」、すなわち「支え合い」というものでした。
     問題の中では、「手を貸す」というのは「手へんを漢字に貸して、別の漢字にする」という意味合いで用いられています。しかしこの慣用句は、ふだんは「誰かを助ける」という意味で用います。これは、答えになっている言葉「支え合い」そのものです。一枚の謎の中で「手を貸すことで支え合いが実現する」という物語ができているといっても過言ではありません。

 

 このように、随所に工夫が凝らされている素晴らしい謎です。人気となった理由は、この謎の美しさに隠れているのかもしれません。

 

作者が見つかりました

 TwitterでRTされまくったおかげで、ついに製作者ご本人の目にもとまったようです。

  他人の謎でいいね・RTを得てしまい、すみません 代償として通知欄がすごいことになってまともにTwitterを使えない状態が続いています。

 

  ということで、話題の「手を貸す謎」徹底解剖でした。

 今やこの国には、屋外にも屋内にも、さらにはインターネットの空間にまで、様々な謎解きが無数に転がっています。このツイートで興味を持った方は、これを機会にぜひ「謎解き」の世界に足を踏み入れてみませんか?

 

 お読みいただき、ありがとうございました。