こんにちは。ミカグラです。
さて、来る6/12から、音楽ゲーム初のプロリーグである「BEMANI PRO LEAGUE 2021」が開幕します!
しかし。
「どのチームを応援しようかなあ……」
「24人も選手がいて、知らない人もいっぱいいるなあ……」
といった方は多いことでしょう。
それではもったいない!
今回は、記事前半で「これだけ知っておけば、プロリーグを楽しく見れる!」という必要最低限の知識をまとめました。IIDXに触れていない人は、これを読んでBPL観戦に備えよう!
さらに記事の後半では、なんとBPL出場者である現役のプロプレイヤーをお呼びして、各チーム・各選手の魅力を徹底インタビュー!さらに、プロ直々に「BPLの魅力」も語っていただきました。
これを読めば、BPLがより楽しめること間違いなし!!
長丁場ではありますが、ぜひお付き合いください。
これだけ知っとけ!beatmania IIDX
基本の遊び方
beatmania IIDXは、7つの鍵盤とターンテーブルを操作するゲームです。
8つのレーンは、このように対応しています。
そして、ノーツが降ってきたら、対応するボタンを押す!あるいは、ターンテーブルを回す!
非常にシンプルですね。
通常のノーツのほかに、チャージノーツ(Charge Notes、以下CN)と呼ばれる長いノーツが来ることもあります。これは、長いノーツの始点でボタンを押し、終点でタイミングよく離す、という動作が必要です。
さらに、ターンテーブルのレーンに長いノーツが来ることもあります。これは、バックスピンスクラッチ(Back Spin Scratch、以下BSS)と呼ばれます。このノーツでは、始点でスクラッチを回したのち、終点まで回し続け、さらに終点ではタイミングよく逆方向に回すという操作、すなわちバックスピンが必要になります。
beatmaniaの判定
IIDXには、どれくらい正確に叩けたかを示す判定が5種類存在します。順に、
- PERFECT GREAT(以下P-GREAT)
- GREAT
- GOOD
- BAD
- POOR
です。GREATとP-GREATは、画面上ではおなじ「GREAT」の文字であらわされますが、
- P-GREATは文字が青白く光る
- GREATは文字が黄色くなる
という違いがあります。
P-GREATの判定幅はおおよそ前後それぞれ20 msといわれています。つまり、ちょうどのタイミングからたった0.02秒のズレしか許されない、ということです。他の音楽ゲームに比べても圧倒的に狭い。この判定の狭さをものともせずP-GREATを出しまくるプロプレイヤーの技量は圧巻です。
勝敗を分けるEXスコア
BPLでの勝敗は、すべてEXスコアと呼ばれるスコアで決まります。
EXスコアの数え方は実にシンプル。1ノーツにつき、P-GREATを2点、GREATを1点として数えます。GOOD以下のノーツはすべて0点。曲ごとの理論値は、ノーツ数×2ではじき出されます*1。
特に、GOOD判定が0点になるところは重要です。クリアには必要なGOODも、スコア狙いでは役に立たないという点では、IIDXでスコアを競い合うのは大変にシビアだといえます。
もっと知りたい!beatmania IIDX
レーンオプション
beatmaniaIIDXがほかの音ゲーと大きく違う点として、譜面にオプションをかけて譜面を変化させられる、というものがあります。
OFF
そのままの譜面が降ってくるオプション。正規とも呼ばれます。
MIRROR
スクラッチを除いて、譜面が左右鏡映しになって降ってくるオプション。鏡とも呼ばれます。
RANDOM
スクラッチを除いて、譜面が降ってくるレーンをランダムに入れ替えるオプションです。これによって、正規では押しにくかった配置が押しやすくなることもあります。乱とも呼ばれます。
S-RANDOM
SUPER RANDOMの略。RANDOMではノーツが流れてくるレーンが入れ替わりますが、S-RANDOMではスクラッチを除く個々のノーツがどこかのレーンにランダムに降ってきます。譜面の形が大きく変わるオプションです。S乱、スパ乱とも呼ばれます。
R-RANDOM
ROTATION RANDOMの略。RANDOMと同じようにレーンが入れ替わるオプションですが、こちらではレーンがスライドするように入れ替わります。例えば、1234567という順番が、4567123になったり、あるいは5432176になったりなどです。R乱とも呼ばれます。
RANDOM, S-RANDOMなどのランダム系オプションでは、一見するとせっかくの譜面がぐちゃぐちゃになり、難しくなるように思えます。しかし、これらのレーンオプションを使うと、「押しやすい配置」をつくったり、逆に「押しにくい配置」を崩すことができます。
一方で、ランダム系オプションはその配置を運に頼ることになりますが、正規・鏡譜面では、いつも決まった配置が降ってきます。このため、正規・鏡譜面に特化し、安定感を高めるプレイヤーも存在します。こうしたレーンオプションの駆け引きも、見どころの一つと言えるでしょう。
譜面の「テーマ」
音ゲーの譜面には、さまざまな「傾向」が存在しています。IIDXでは、この傾向を6つの評価基準によって評価しています。これら6つの評価基準は以下の通りです*2。
- NOTES: 楽曲の長さに対する総ノーツ数
- PEAK: ノーツ数の瞬間密度
- CHORD: 同時押しの難しさ
- CHARGE: チャージノート・バックスピンスクラッチの難しさ
- SCRATCH: 楽曲の長さに対するスクラッチ数
- SOF-LAN: BPM変化の難しさ
そして、これらのうち最も数値が高いものがその譜面の「テーマ」となります。
BPLでは、対戦ごとに選曲できる譜面の「テーマ」が異なります。さらに、プレイヤーごとに得意なテーマ、苦手なテーマも存在します。それぞれの選手がどのテーマに合わせて出場するのか、どんな譜面を選曲するのかの戦略も、観戦のポイントになるでしょう。
BPL出場チーム全解説!
ここからは、BPL出場者をお呼びして、出場する全6チーム・24人について徹底インタビュー!
今回参加していただくのは、こちらの三名です!
NORI(のりみそ): SILKHAT所属
Q. IIDXで一番いい曲は?
A. オリジナル曲なら、Portal。移植含めてなら、おーまい!らぶりー!すうぃーてぃ!だーりん!
UCCHIE(うっちー): APINA VRAMeS所属
Q. IIDXで一番いい曲は?
A. VJ ARMY。
WELLOW(ういろう): SUPER NOVA Tohoku所属
Q. IIDXで一番いい曲は?
A. オリジナル曲なら、夕焼け~Fading Day~。移植も含めていいなら、ポップンからの移植であるFoundation of our love。
APINA VRAMeS
__まずは「大魔王」DOLCE.(ドルチェ)選手。言わずと知れた超有名選手ですね。
ういろう「思ったより競合が少なかったのが意外でした。もっと指名が集まると思ってましたね」
__DOLCE.選手といえば、スクラッチのイメージがありますが?
ういろう「皿*3はもちろんなんですけど、それ以外もまんべんなくうまい。CHORD・PEAKといった曲でも脅威です」
__続いては、「埼玉の良心」ことUCCHIE(うっちー)選手。まずはご本人に、自分の得意技を伺いましょう。
うっちー「自分の強みはやはりLv12ですね。特に、高速乱打や高密度譜面といった高難易度に自信を持ってます」
__他チームからの印象は?
ういろう「DOLCE.選手の弱点をあえて挙げるとしたら高密度譜面ですけど、そこをうっちーがカバーしてるのが強い」
のりみそ「この仕上がりを考えるとほかのチームには脅威、っていうかもうズルですよね」
__3巡目に指名を受けたのは、「安定の羅針盤」ことNIKE.(ニケ)選手。
ういろう「この選手は☆11以下が非常にうまく、先鋒・中堅で活躍するタイプですね。また、昔からIIDXをプレイしているので、古い曲がめちゃくちゃうまいです」
のりみそ「スコア力も超高い。☆11以下になると何を投げれば勝てるのか……?」
__低難易度の仕上がりで評価が高いですね。
うっちー「僕から見ても、☆11以下はまんべんなくうまいです。特に、era(nostalmix)、era(step mix)といったようなソフラン曲の出来はずば抜けてる」
__era(nostalmix)は3rd style, era(step mix)は4th styleの楽曲ですから、古くからある曲の強さが際立ってますね。
うっちー「彼もKACに出ていますから、その経験も強みになるはずです」
__最後に、「才能を引き出す導きの智将」KENTAN(けんたん)選手。
ういろう「なんでこの人4巡目なん?」
__ズバリ、けんたん選手の強みとは?
ういろう「BPMの速い曲、とくに180-200BPMですね。ここら辺の高速曲は、自己べを比べれば1巡目選手も超えてきます」
__けんたん選手、見た目も大変若いですね。
のりみそ「実際はここのメンバー*4よりも年上ですけどね。僕と並んだらけんたんさんのほうが若い」
__最近はお子さんが生まれましたね。父親としての姿にも注目です。
テンション高すぎて全然寝ないw pic.twitter.com/XmnlwyRsrr
— けんたん / KENTAN (@kentansan) 2021年5月24日
__APINA VRAMeSを総合していかがでしょう?
うっちー「APINAは唯一、全員がKACの出場経験があります。大会という一発勝負に強いのが、APINAの強みです」
のりみそ「『どのチームが強いか?』という議論をすると、APINAはまず名前があがりますね。とくにDOLCE.選手の場慣れはかなりの脅威です」
ういろう「それぞれの選手で役割分担がしっかりできているのがAPINAの強いところ。かなりズルいですねえ」
のりみそ「あとアドバイザーもすごいですよね。DJ Genkiさん」
ういろう「自分で曲書いて練習譜面つけてそう*5」
GAME PANIC
__まずは「テクニカルオールラウンダー」ことMIKAMO(みかも)選手。彼を語るに欠かせない要素といえばやはり……
mosaic MAX!!!! pic.twitter.com/xEx3FGP0bV
— みかも (@mikamo_a) 2020年1月7日
__MIKAMOさんといえば精度力のイメージがありますが、高難易度も強いんですよね?
ういろう「オールラウンダーを名乗る選手の中でも、高密度譜面が上手な選手」
のりみそ「しかもソフランみたいな飛び道具も全部うまいから、絶対勝てないんですよね~。当たりたくなさはトップクラス」
うっちー「なんなら僕はアリーナで当たってボコボコにされましたからね。☆12の密度高い譜面ならやっと勝ち目が生えるくらい」
__続いては「2STEP育ち」ことPEACE(ピース)選手。
ういろう「え、本当にヤバイ」
__その反応、とても注目の選手なんですか?
ういろう「いや本当に意味が解らないくらいうまいんですよ。とくに☆10以下のテリトリーでは最強。IIDXをちゃんとやってる人じゃないとわからないヤバさがあります」
ういろう「特にハネ譜面、常にハネてる譜面がめちゃくちゃうまいですね。From Time To Timeとか」
のりみそ「特に見てほしいのはLuv 2 Feel Your Bodyですね。あれ7個って何?わからない」
うっちー「I Know You Know 1個も本当にわからない。普通の人ができない譜面がほんとにうまいですね」
のりみそ「この2つは本当にすごいんですよ。もしわからなかったらゲームセンターでやってみてほしい」
ういろう「この人中堅の試合全部出れば全部2タテできるんじゃないですか?」
うっちー「それはダメ。法律で禁止したほうがいい」
のりみそ「国連にチクったほうがいい」
__続いては、「鍛錬と経験の雄」54GAYA(こしがや)選手。
ういろう「大将戦に出る枠、☆12担当の枠としてもう一人確保できたのは大きいですね。彼が得意なのは☆12の16分主体の譜面ですね。Visterhv、Viridianとか」
うっちー「Lincleで出てきたFって曲もめっちゃうまかった。☆12は全部うまいですね」
__大将戦での活躍に注目ですね。
のりみそ「あとは、持ち前のキャラクターにも注目でしょう。試合以外の部分でも、BPLを盛り上げる力があります」
ういろう「54GAYA選手はBPLを盛り上げる力ありますね~」
__最後は、「鳥取が生んだビートマニア(兄)」、#MA3#(まさ)選手。
ういろう「彼も☆12に対応できるプレイヤーだな、と思いますね。最近の伸びがよく、物量譜面が特に強い。このチームは大将戦で誰が出てくるかわからないですね」
うっちー「それだけじゃなくて、しっかり単発もできますからね。まさにオールラウンダー」
のりみそ「☆11以下の16分が一切崩れずに押せるんですよね。4巡目指名同士だから僕も当たるが可能性あるけど、勘弁してくれないかなあ」
__先鋒・中堅・大将、どこに行っても活躍が期待されますね。
ういろう「あとは実際に話しててもとても気さくで、エンターテイナー性もありますね」
うっちー「背も高いしね、うらやましい」
__GAME PANICの印象は?
ういろう「☆9から☆12まで、どの難易度をとってもなかなか隙のないチームですね」
うっちー「選手のキャラが濃いのもみどころですね。大会を盛り上げてくれそう」
SILKHAT
__まずは「固定オプションの魔術師」SEIRYU(せいりゅう)選手。
ういろう「彼はね、強すぎてIIDXをやってはいけない人間」
__SEIRYU選手といえば、二つ名の通り正規、ミラーのイメージがあります。
ういろう「大会でもアベレージ*7が確保できるのがすごい。というか彼はランダムでも十分強いんですよね」
のりみそ「世界の果てに約束の凱歌を*8、ってあったじゃないですか。あれ、SEIRYUさんはご飯食べておなか一杯になった後、パッとやったら『あ、自己べでた』ってことがあったらしくて*9。あの人はゾーン*10にもっていかなくてもいい強さ、余裕がある。いつやっても、どんな状況でもうまい」
__ナチュラルな精神状態でもパフォーマンスが発揮できる選手、ということですね。
うっちー「一発勝負の大会で、あの精神力と固定オプションでの強さは本当に光りますね」
のりみそ「これまでは、他のプレイヤーに比べてIIDXにあんまりクレを積んでいなかった選手でした。その伸びしろまで考えると、知名度でこそ劣りますがやばさはトップクラスだと思ってます」
__続いては、「元祖パーフェクト」のRKS-32(じゅんた)選手。
のりみそ「彼のすごいところは、自分の好きな曲をありえないくらい詰めるところですね。LIGHTNING MODEL*11がまだないときにノノナ(A)*12理論値はすごいですよ」
のりみそ「僕は理論値出る気がしないんですけど、LIGHTNING MODELが出た今だと、お二人は理論値出せそうですか?」
うっちー「絶対出ません」
ういろう「出るわけない」
のりみそ「精度に関してなら、中堅でならPEACEさんともいい勝負じゃないですか?☆12でも強いし。皿もBLACK.by X-Cross Fadeとかうまくて、SEIRYUさんと補完し合える存在です」
ういろう「どこのカードで出しても強いですね。SEIRYUさんのやってない部分もできるからかなりの脅威」
うっちー「アリーナで絶対当たりたくないですね。僕が苦手な☆11以下も強いから……」
__さて、「Mr. データ」NORI(のり)選手。まずはご本人からお話を伺いましょう。
のりみそ「シルクハットが僕を指名してくれたのは、データ分析の力を買われてなんですかね。SEIRYUさん、じゅんたさんがミサイルだから、僕はその支援の役割として動きたいと思ってます」
うっちー「まさにミサイルのレーダーですね」
__BPL ZEROにおける全スコア取得*13はあまりにも有名ですね。
のりみそ「今回はもっと大変ですね~、4人×5チームで20人でしょ?」
__……BPLでもやるつもりなんですね。
のりみそ「IIDXで言えば、相手がやってないようないやらしい譜面で勝っていきたいですね。叙情とかruin of opalsとか」
__他プレイヤーからの印象は?
ういろう「BPL ZEROでは同じチームでしたが、今回は違うチームですからね。プレイ外で敵に回したくない人ですね」
__最後は、「Dr. BEMANI」ことHAL(ハル)選手。この「ドクター」というのは?
のりみそ「歯医者さんです。彼はIIDXに復帰してきた人で、はじめは対称固定*14だったんですけど、復帰してから手首皿*15に変えたんですよね」
ういろう「それで灼熱Beach Side Bunny3100点出してるのエグイな……。」
のりみそ「練習時間もバケモノですよ。こないだは車でゲーセン行って、3時間IIDXして、1時間車の中で寝て、また3時間IIDXしてたらしいです」
うっちー「え、うらやましい」
のりみそ「そこはメディカルの力があるんでしょうね~」
ういろう「普段僕らも医学的なメソッドは気にするんですけど、IIDXを研究している医学に詳しい人ってなかなかいないんですよね。ピアノや楽器ならあるんだけど。ハルさんはIIDXの実力と『IIDXの医学的知識』が両方あって、それを結び付けられるのがずるいですね」
__持てる知識を最大限に活かして、IIDXの成長につなげているんですね。
のりみそ「チーム練習でも医療箱持ってきて、テーピングもしてくれますからね。自分だけじゃなくて、仲間のフィジカルにもバフをかけてくる」
__シルクハットを総評して、いかがでしょうか?
のりみそ「先の2チームは穴がないことが特徴でした。それに比べると、うちは弱点こそありますが、SEIRYU、じゅんたという得意分野に突出したミサイルをぶちこんで勝ちを取っていくスタイルです」
うっちー「チーム全体の戦力でいえば相当強いですよね」
のりみそ「あと、僕は一応データ係という肩書ですけど、チームメイトの情報整理の力もが強いので、僕はデータ置いとくだけでいいんですよね。特にコンサルタントをやってるSEIRYUさんの分析力はすごい」
__ということは、選手4人、データ収集、データ分析、メディカルの実質7人チーム!プレイでもプレイ外でも注目ですね。
のりみそ「また、BPLの配信外でも、ブログでシルクハット、そしてBPLの宣伝にも力を入れていきたいですね」
のりみそさんのnoteはこちら:
SUPER NOVA Tohoku
__1巡目指名は「高速ストライカー」ことWELLOW(ういろう)選手、まずご本人にお話を伺いましょう。
ういろう「☆12全般やってます。とくに物量系を重点的にやりこんでますが、皿・ソフランも幅広くできるようにしています」
__二つ名にもある「ストライカー」とは?
ういろう「ストライカー譜面というのは、3連符が主体の譜面のことです。THE DEEP STRIKERやBITTER CHOCOLATE STRIKERみたいな譜面ですね。僕は元祖ストライカー系男子ことTANMEN*16さんから2代目ストライカー系男子を受け継ぎました」
のりみそ「BPL ZEROで同じチームでしたが、そのときは持ち前の頭脳を生かしたデータ分析でお世話になりました。いわばMr. データの片割れでしたから、別のチームになったのは悲しいですね」
うっちー「僕の上位互換、って感じですね。自分よりも☆12が全体的にうまい。アリーナで当たるとお互い得意傾向が近く、得意分野同士で殴り合う戦いになるので、やってて楽しいです」
__続いては、「鉄壁のオールラウンダー」ことKEEL(キール)選手。
ういろう「二つ名の通り全部できる人ですね。Go Ahead!!のような超高密度、灼熱Beach Side Bunnyのようなスクラッチ譜面はもちろん、低難易度もしっかりうまい」
のりみそ「アリーナで当たったら何投げても勝てないだろうなあ、と思いますね」
ういろう「あとは見た目若すぎ問題もある」
のりみそ「これ現役大学生って言われてもわかんないですよ」
うっちー「実際会ったときの話し方もすごく優しいし、めちゃくちゃいい人そうですよね」
ういろう「本当にいい人。聖人ですよ」
うっちー「僕が埼玉の良心名乗るの恥ずかしいレベル」
__3巡目指名を受けたのは、「急成長のホープ」CORIVE(カリバー)選手。
ういろう「キタキタキタキタ!!」
のりみそ「最強」
ういろう「この人普通なら2巡目クラスの選手ですからね。特にうまいのが皿とソフランで、灼熱Beach Side Bunnyは正規で3200出てますからね。」
ういろう「Fascinetion MAXXの動画もあげてますね。ソフラン譜面を研究で攻略するのもうまい」
__大注目の選手ですね。
うっちー「成長速度もやばい、シーズン中にもめちゃくちゃ成長する可能性を秘めてますね」
ういろう「この人IIDXをはじめた作品copulaですからね*17。カリバーさんを味方にできて本当に良かった」
のりみそ「相手がSUPERNOVAで、先鋒か中堅で、ジャンルがSOF-LANかSCRATCHだと、うわぁ……、って身構えてしまいますね」
__最後は、「隙のない万能戦士」FRIP(フリップ)選手。
ういろう「この人もオールラウンダー、全部うまいです。先鋒・中堅の難易度をメインに、どのジャンル・譜面傾向でも出せるからありがたい」
のりみそ「FRIPさん昔ライバルに入れてて、☆12のAAA埋め勝負をしてた時期があったんですよ。そのとき未AAA残り10曲で3y3sがすでに埋まってて、僕はなんで?って言ってましたね。2ndSTAGEでコストが枯れた時に大将で出ると対戦相手は嫌ですね」
__ということでSUPER NOVA Tohokuを見てきましたが、みなさん見た目の若い方が多いですね。
ういろう「なんなら僕が一番年上に見えるまである」
のりみそ「引率の先生、ういろう!w」
ういろう「あとはオールラウンダーが多くて、難易度・ジャンルを問わず、どの選手でも出せます」
__各選手のコストが枯れてきた2nd STAGE以降は特に注目ですね。
ROUND1
__まずは「勝利をもぎ取る王者の鷹」ことU*TAKA(ゆーたか)選手。
うっちー「言うことある?」
ういろう「☆12全国トップを150くらい持ってるから、☆12の4割が世界で一番うまい男」
__あまりに圧倒的ですね……
ういろう「公式大会の戦績が全部物語ってますよ」
のりみそ「KACだと優勝か準優勝しか取ってないのか。もうミサイルを超えたなにかですね」
うっちー「地球破壊爆弾ですよ」
のりみそ「絶対当たりたくない」
ういろう「でも二回は当たるんですよ」
のりみそ「自分のチームと当たったときに大将戦に出ないことを祈るしかない」
__脅威はU*TAKA選手だけではありません。「自分のスコアに『妥協』の文字はない」KUREI(くれい)選手。
ういろう「この選手はBPL出場が決まってからガッツリIIDXをやりこむようになって、わけわからないリザルトを一杯出してます。ROUND1には1巡目選手が2人いると思ったほうがいい」
うっちー「プレイが絶対に崩れないんですよね。個人的には大注目の選手です」
のりみそ「低難易度で急に理論値2曲くらい出してて、意味わからなかった」
LUV CAN SAVE U SPA MAX-1!!
— KUREI (@kure3rin_1993) 2021年5月14日
Love Me Do MAX!!!!!
HIGH MAX!!!!!!! 歴代だと思う!!
精度の鬼すぎたw pic.twitter.com/bkAxGwuBfx
ういろう「タシカナモノとかやばくないですか?」
うっちー「あれ僕がプレイしたとき30個くらい出たんですけど」
うっちー「こないだフォルダ埋めもしてましたね。あれもすごかった」
ういろう「自分で曲選ぶとついつい選曲偏っちゃいますからね~。いろんな曲を幅広く触ってるのも強さの理由だな、と思います」
ういろう「あと辛い物耐性が強いですよね」
のりみそ「ペヤングの獄激辛食いきってたしね」
__3人目はANSA(アンサー)選手、「俺が答えだ」。
のりみそ「彼の強さは本番で力を出し切れるところですね。BPL ZEROでいやというほど思い知らされましたから」
ういろう「最近はアベレージを鍛える練習もしてますね。3巡目の選手の中でもかなり強いです」
うっちー「低難易度もしっかりうまいですよね~」
のりみそ「あと、年齢が若い!」
うっちー「僕と同じ若さですね」
のりみそ「キャラも立ってて、エンターテイナーとして映像を彩ってくれるでしょうね。IIDXのプレイ以外でもBPLを盛り上げてくれるはずです」
__最後は「JAPANESE GACHIOSHI BOY」ことTENIN(てにん)選手。
ういろう「その名の通りですね*18。BPLに出場しているなかでも、かなり高難易度に特化した選手ですね。」
__ストライカー系男子のういろうさんとしては強いライバルでは?
ういろう「VANESSA(LEGGENDARIA)とかもうまくて、期待していますね」
のりみそ「僕も同じ4巡目指名ということで比べちゃいますけど、彼の実力はうらやましいですね」
__ROUND1、全体的にどうでしょう?
のりみそ「どのチームもまずROUND1は真っ先に警戒しているんじゃないですか?U*TAKAさんが出てきたらもうおしまい、でもほかのメンバーも強くて対策に困ってしまいます」
ういろう「できることといったら、自分のチームと当たったときに少しでも有利なマッチになるように祈ることくらいです」
レジャーランド
__最後はレジャーランド、まずは1巡目指名の1-PIN(いーぴん)選手。
ういろう「ついにここまできたな、という印象です。ほぼほぼ同世代で、僕はずっと目標にしてきましたからね。もともと単発*19寄りの選手だったけど、いまは全部うまい」
うっちー「単発寄りなのに12もできちゃ、だめだろ」
のりみそ「アリーナでIXを投げてたのを見たんですけど、メチャクチャうまくて。単発うまいって人がIX投げて上手かったら嘘つけ!って言っちゃいますよ*20」
ういろう「いーぴんさんもキャラが立ってますね。固定ファンつきそ~」
のりみそ「こしがやさん、アンサーさんと並んで固定ファンがつきそうですよね」
うっちー「おれも固定ファンつくかなあ~」
ういろう「うっちーくんは女性ファンを虜にしていると噂ですけど」
うっちー「どこにそんな要素あるん…」
__続いては、「フィーバーロボに乗ってきました」DINASO(ダイナソー)選手。彼はKAC pop'n music部門の常連ということで、ポップンのイメージが強いですが……?
ういろう「だからこその強さがIIDXにもあります。大会の空気に強いのはもちろん、さらにポップン特有のズレ・ハネ・ソフランに強い」
のりみそ「ここも1巡目2人いますね」
ういろう「僕、いーぴんさん、ダイナソーさんでアリーナモードで対戦した時に、ダイナソーさんが1位の時もありましたね」
__3人目は、「物量の申し子」G*(ジー)選手。
ういろう「最年少よ」
のりみそ「2001年生まれですよね」
__選手唯一の21世紀生まれですね。
ういろう「まだまだ若いから、これからの成長速度にも期待ですね」
ういろう「物量はもちろん、低難易度もうまいです。こないだSleepless daysを義務教育終了つって理論値出してた。僕はまだ義務教育終わってない」
義務教育終了 pic.twitter.com/YaQJt3a4aq
— G* (@lllIIl_IIDX) 2021年6月4日
うっちー「この3人がお互いの弱点をカバーできるのが強いですね」
ういろう「コスト管理がしやすそう」
のりみそ「ほかチームからすれば誰が出てくるかわからないですからね」
__最後は、「相手の弱点を逃さず刺す」U76NER(うなむね)選手。
のりみそ「僕はもう彼とは十数年来の知り合いで、同じBPLに出れて感慨深いですね。特に最近伸びは恐い。4巡目指名ではありますが、彼はめちゃくちゃうまいぞと、他チームながら押していきたい」
のりみそ「彼の強みはクセのある曲ですね。相手の弱点をしっかり研究して刺す、たいへんこまった人」
ういろう「僕も当たりたくないですね。当たると1位はおろか2位すら取れない曲を投げてくるので」
うっちー「僕はアリーナで当たって、Plan 8でしっかり刺されました」
のりみそ「格上の相手でも当たりたくない、と言わせるのが彼の強さですよね」
うっちー「あとは頭もいいですよね。レジャランのブレインといった感じ」
のりみそ「クセのある曲も得意だし、データ系キャラも被ってて、どっちも僕の上位互換なので勘弁してほしい……。ただIllegal Function Callのようなジャリジャリっとした譜面は相対的に苦手なはずなので、僕はそれで勝っていきたい」
__レジャーランドを総評していかがでしょう?
ういろう「オールラウンダーでありつつ、得意傾向もしっかりあるチームですね」
__ちょうど物量担当2人+癖担当2人という感じで、オーダーに困らなさそうですね。
のりみそ「相手にすると誰がどこに出てくるかが全く読めない。対策が立てられない、非常に困るチームですね」
ということで、全6チームの紹介でした。
応援したいチーム、応援したい選手は見つかりましたか?
プロに聞く!BPLの見どころは?
ういろうが語る!BPLの魅力!
「アリーナモードを用いた、熱い対戦!」
音ゲーって、他のゲームと違って何をやってるかがわかりづらくて、競ってる感じが出ないんですよね。でも、アリーナモードではスコアグラフや順位表示が画面に出て、選手の競り合いがわかりやすくなっています。そういった熱い試合での、スコアグラフの微妙な競り合い、そして画面に映る選手の熱さを見てほしいです。「音ゲーで対戦する」ということの魅力を見てほしいな、と思います。
うっちーが語る!BPLの魅力!
「選手それぞれの多彩な運指やプレイ画面!」
ノーツが落ちてくるハイスピードや、鍵盤の押し方には、人それぞれ差が出ます。IIDXには、例えばキービーム*21、判定文字のような、プレイヤーが好みで設定できるオプションもあるんです。こうした「画面のカスタム」ができるのは、IIDXならではの要素ですよね。
プレーカスタマイズが全く同じプレイヤーは一人もいないし、決まった正解もありません。野球選手でたとえるなら、打撃や投球のフォームの違いですね。こうしたプレイスタイルの個性に注目してみてほしいです。
のりみそ「つけ加えるなら、IIDXをプレイして上達したい!って人には、ぜひ24通りのプレイスタイルの中から自分の上達の糧になるようなものを探してほしいですね。誰かのスタイルから学んで、そこからうまくなる、ってこともあると思います」
うっちー「これは公式へのお願いになっちゃうんですけど、できれば選手の体格、身長・体重も公式サイトに載せてほしいですね。上手くなりたいプレイヤー、プロを参考にしたいプレイヤーは、そういう情報もほしいはずです」
ういろう「いや体重はちょっとカンベンかな……」
のりみそが語る!BPLの魅力!
IIDXって音楽ゲームだから、やっぱり「音楽」が主役なんですよね。IIDXには幅広く、いい音楽が揃っています。そしてBPLでも、BPL ZEROから引き続いて、音楽を主体とした演出が溢れるはずです。だから、BPLを通して何か一つ、「この曲がいいな」といったものを見つけて、まずはそこからIIDXの世界に興味を持ってほしいな、と思います。
また、チームに対して、個人に対して興味を持つことが入り口になってもいいのかな、と。プレイスタイルがいいなとか、この人おもしろいな、顔がかっこいいなとか、そういう興味の持ち方でもいいので、BPLの試合を見ていってほしいです。
もし興味を持ったプレイヤーがいれば、ぜひその人の歩んできた歴史にも注目していってください。各個人のドラマを掘り下げれば掘り下げるほど、より楽しめるコンテンツになっていくと思います。
__せっかくなので、皆様の推し選手をお聞きしたいです。
のりみそ「僕はやっぱり、長年のつきあいであるうなむねさんを推します。存分に強さを発揮してほしい。できれば自分のいないところで……」
ういろう「僕はいーぴんさんとうっちーかな。ユニバリーナ*22でともに競いあってきた思い出が深い。あのころの仲間がいまこうしてBPLで戦うと考えると、エモいですね」
うっちー「僕もういろうさん、いーぴんさんかなあ。CANNON BALLERSからお互いに知り合って、ともに頑張ってきたので、BPLでも頑張りたいです」
おわりに
ということで、プロ選手3名をお招きして、各チームの見どころ、そしてBPLの魅力を語っていただきました。快くインタビューを引き受けてくださったういろう選手、うっちー選手、のりみそ選手のお三方、本当にありがとうございました。
さて、BPLの開幕は6/12から!
第1試合はうっちー選手が所属するAPINA VRAMeSが、ROUND1とともに初戦を飾ります。大将戦では、大魔王DOLCE. vs. 絶対王者U*TAKAが、癖曲集うSOF-LANジャンルで殴り合う!!
第2試合は、ういろう選手率いるSUPER NOVA Tohokuが、レジャーランドと激突。大将戦はういろう vs. いーぴんのユニバリーナ対決が実現!!SCRATCH対決のゆくえやいかに?
週をまたいだ第3試合では、のりみそ選手を擁するSILKHATとGAME PANICの対決です。オールラウンダー集うGAME PANICに、実質7人チーム・SILKHATのミサイルは炸裂するか?
ということで、BPL観戦ガイドは以上です。
およそ4か月間の激闘、BEMANI PRO LEAGUE 2021から目を離すな!
*1:とはいえ、そんな簡単に理論値が出るゲームではないのですが……。
*2:
https://p.eagate.573.jp/game/bpl/bpl2021/about/regulation.html を参考にしました。
*3:スクラッチのこと。ターンテーブルが大皿に見えることからこう呼ばれる。
*4:WELLOW, UCCHIE, NORIの3名
*5:DJ Genkiの知り合いとされているGramさんは、Sigmund、GuNGNiRといった超難曲で多くのプレイヤーを苦しめている。
*6:MIKAMO選手は、mosaic(ANOTHER)で前人未到のEX SCORE理論値を達成。IIDXの最高難易度である☆12で理論値を出すのは人類初で、大きく話題になった。
*7:スコアの平均値のこと。一発勝負における安定感の指標となる。
*8:10th KACの課題曲。多くのランカーがそのスコアを競った。
*9:本人によれば、19:30にかけそば&カツ丼というボリューミーな食事をとり、その後凱歌をプレイしたところ『伸びそうだったのでちょっとやったら歴代』が出たらしい。
*10:集中力が格段に研ぎ澄まされた特殊な精神状態のこと。トッププレイヤーの多くは、はいかに「ゾーン」の状態を作るか、独自の方法を持っている。
*11:IIDXの新筐体。画面のフレームレートが上がり、より精度が取りやすくなった。
*12:「超青少年ノ為ノ超多幸ナ超古典的超舞曲」の略称。カタカナ部分のみを読んでこう呼ばれる。はがないみたいだね
*13:詳しくはこちら:
https://note.com/norimisoiidx/n/n1630882c3f1c?magazine_key=mb00141a5ae89#mqK77
*14:IIDXにおける指のホームポジションの一つ。左右の手を対称におくことからこう呼ばれる。
*15:スクラッチを指ではなく、手首で回すこと。対称固定ではできないため、ホームポジションを矯正する必要がある。
*16:IIDXのトッププレイヤー。BITTER CHOCOLATE STRIKERで全国トップを記録し、「ストライカー系男子」の名前の由来となった。
*17:copulaはおよそ5年前の作品。BPLに出場する選手の中では、IIDX歴はかなり浅い方ということになる。
*18:「ガチ押し」とは、腕全体を動かして鍵盤を叩くように押す技法のこと。精度が取りやすい、同時押しの多い譜面に強い、といった特徴がある。
*19:低難易度で、密度が薄く同時押しも少ない譜面のこと。
*20:IXのANOTHER譜面は最高難易度の☆12。当然単発譜面ではない。
*21:鍵盤を押したり、スクラッチを回したりするときに出るビームのようなエフェクト。
*22:関東の大学生間で開かれた有志によるIIDXの大会。BPL出場者では、ういろう、うっちー、いーぴんの3名が参加していた。