【街歩き】古本買いビギナーのための神保町ガイド

前置きを短くすると、いい感じ!になることに気づいたミカグラです。

 

最近神保町に行くことが多いので適当にガイドを書きます。

 

 

 

だいたいの歩き方

以下のマップを参照:

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乱筆失礼。

 地図中の赤い星で示したのが神保町交差点である。東京メトロ都営地下鉄で神保町まで来る場合は、この交差点が起点になる。ここを中心に古書店街が東西南北に展開されている。今回の記事では特に密度の高い、東西にのびる靖国通りに絞って解説する。だいたい西は専大前交差点、東は三省堂書店まで続く。

 靖国通り南側には書店街が多くあり、北側には喫茶店や飲食店が多い。古書を買うために神保町を歩くなら基本的に右側を歩いていればよい。神保町交差点の靖国通り南側から出る出口にはA6, A7出口の2つがある。メトロや地下鉄の案内板には「A6出口 古書店街」とアナウンスが書かれているが、個人的にはA7出口から繰り出すのをお勧めする。その理由は、長時間の街歩きに必要な水分を調達できるドラッグストア、「ココカラファイン」が近くにあるからだ。

 

まずはここから

神保町ブックセンター

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店頭写真

 岩波書店が経営する書店。古書店街の中央、神保町交差点近くにある。

 清潔な空間の中には広々としたカフェがあり、ワンドリンクで利用可能。休憩所として使える*1。また中には1日貸しで使えるワークスペースもあるため、まとまった作業をしたい人はどうぞ。岩波の本を中心に新書がたくさん売っているので、買い物も楽しめる。

 立地もよいため、神保町巡りの拠点として使える。

www.jimbocho-book.jp

 

書泉グランデ

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とても目立つ。

 神保町で一番デカい本屋。キャッチコピーは「趣味人専用」。

 古書店街にあるがこの店は古書ではなく、主として新品の書籍を取り扱っている。いわゆる普通の書店のようにも使えるが、「趣味人専用」のキャッチコピーよろしく、大きな特徴を持っている。

 それは、一部のジャンルについて非常にコアな品ぞろえを誇っているというものだ。特に顕著なのは鉄道で、6階フロアすべてが鉄道関連のものであふれている。書籍は時刻表はじめ鉄道関連のものがずらりと並び、鉄道グッズも多く取り揃えられている。その筋の人からは「聖地」と呼ばれているのだとか。ほかにも、3階フロアは半分程度が古今東西ボードゲームで埋まっている、5Fには他店ではめったに取り扱われていないミリタリー関連の書籍・グッズが並ぶなど、まさに「趣味人専用」の名に違わぬ品揃え。趣味の合う人はぜひ足を運んでみるとよい。

 また、7階イベントスペースではさまざまなイベントが行われている。講演会やサイン会、グランデ主催のバザーなど、イベントの種類は多岐にわたる。最新情報は公式サイトやTwitterから発信されているので、こまめにチェックしておくといいだろう。

www.shosen.co.jp

 

澤口書店

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明るい色で、新しさのある看板が目立つ

 神保町に複数店舗を抱える古本屋。店内はこぎれいで新しい印象があるが、古本屋の雰囲気を存分に漂わせている。

 この書店は数々のジャンルの古本が万遍なく並べられており、自らの興味にあった本が見つかりやすい。とくに、私のような本読みビギナーにやさしい文庫本の品ぞろえは非常によく、神保町に来たらはじめに立ち寄りたい場所である。もちろん、明治・大正期の古書や、装丁が凝った洋書も数多く並んでいる。

 東側の源興號ビルにある店舗では、2階に休憩スペースが設けられている。一定額*2の買い物で自動販売機のドリンクが買えるコインが1枚もらえる。歩き疲れた時に立ち寄るとよい。

sawatokyokoshoten.com

 

@ワンダー(あっとわんだー)

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角を陣取る緑の看板が目印

 靖国通り西側の古本屋。緑色の看板が目印。

 この書店一番の推しポイントは、店外棚の本の多さ。状態こそ少し劣るが、ジャンルを問わず文庫本が1冊100円程度程度で販売されている。他店でもいわゆる「ワゴン販売」では100円程度の本が多く売っているが、この店には10個以上の露天棚が並んでおり、その冊数が圧倒的に多い。本の種類・状態を問わずとにかく安くたくさん買いたい、という本読みは絶対に寄っておきたい場所。

 店内1階には、昭和の漫画雑誌やアメコミ、また映画のポスター・ブロマイドがずらりと並ぶ。昔の映画・漫画好きにおすすめ。2階はカフェスペースになっており、休憩所として使える。

atwonder.blog111.fc2.com

 

分野特化型の書店

一誠堂書店(歴史書・古書)

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ひときわ重厚感が漂う

 歴史書を販売している古書店は多いが、今回はこちらの書店を紹介。

 荘厳な雰囲気漂う店内には、ハードカバーの歴史書や研究文献が隙間なく並べられている。ここは洋の東西を問わず、文学・歴史に関する古書籍が非常に多い。文科系の学問に通じている人にとっては、貴重な文献の宝庫だろう。

 資料めいた本が多い反面、ビギナーが買えるような廉価な本は少ない。とはいえ重厚な雰囲気を味わうために、店内を回るのもいいだろう。

https://www.isseido-books.co.jp/index.html

 

明倫館書店(理学・工学書)

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店先のシャープなデザインが目を引く

 神保町の古書店街に珍しい、理学書の専門店。

 店内には数学・物理・化学を中心に、多数の本が並ぶ。特に数学関連の書籍は随一の品ぞろえを誇り、数学のほとんどの分野はこの店で買える本で勉強ができると思われる。

 1階奥側には、ドイツの出版社・Springerの本を中心に、自然科学関連の洋書が取り揃えられている。これらの新書は専門性の高い本が多くあり、また一冊の値段が高いだけに、この手の本を求めるユーザーにとっては貴重な場所といえる。

www.meirinkanshoten.com

 

矢口書店(演劇台本)

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大きな看板の下には、「映画 演劇 戯曲 シナリオ」の文字

 神保町西側の小さな書店。看板に店名が大きく掲げられている。

 この書店では、演劇・戯曲に関する書籍が並んでいる。特に目立つのは、演劇・戯曲の台本である。こうした書籍が多数売っている書店は、神保町でも特に珍しい。

 また、映画製作に携わったスタッフたちの自伝、映画・戯曲評論など、演劇全般にかかわる様々な書籍が販売されている。演劇ファンは是非とも寄ってみるといいだろう。

yaguchi.movie.coocan.jp

 

ブックハウスカフェ(児童書)

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西欧 色濃い佇まいは、街で異彩を放つ

 洋風の構えが特徴的な書店。

 かなり珍しい児童書専門の書店で、フロアには多くの絵本が並ぶ。色とりどりの絵本は、店内に彩りを与えるとともに、店外からの見た目もにぎやかにしている。店内にはカフェも併設されており、色鮮やかな空間で軽食が楽しめる。

 2階には北沢書店という別の店があり、こちらは洋書を中心に扱っている。ジャンルは哲学・文学・歴史・演劇など多岐にわたる。

www.bookhousecafe.jp

 

 

 以上、ざっくりとしたまとめでした。

 みなさんも、神保町巡りを楽しんでみませんか?

*1:特に、本からアイデアを得て突発的に文章が浮かんだような人。

*2:筆者が行ったときには500円