ミカグラです。
先日、21歳にして初めて「歌舞伎」なるものを観賞しました。今回はそのレポートです。
一連の流れ
歌舞伎をよく見るという高校の後輩(以下Aさん)に連れて行ってもらうことに。事前にチケットを買ってもらって*1、当日歌舞伎座へ。
銀座の近代的で高級なビル街にそびえたつ、和風の建築物が歌舞伎座です。
入口には今日の演目、そしてそれを模した浮世絵が貼ってありました。浮世絵ってこうやって使うんすね
入場時にチケットを見せ、ここで音声ガイドを借りて中へ。
感染症対策のため、座席には間隔をあけて座りました。ちょうど座れる席が一つとび、また列ごとに互い違いになるようになっていました。それが市松模様のように見えることから、この座席配置を「市松」と呼びます。Aさんによれば今の演劇や映画ではスタンダードな座席配置の一つなんだそうです。かしこーい(こなみ)
座席に座って鑑賞。演目は「梶原平三誉石切*2」。入場時に配られたパンフレットであらすじが把握できるので、話の運びが事前に分かった状態で見られます。
だいたい1時間と少し、観劇にしては短い時間だったかな。最後に地下にあるお土産屋を軽く見て帰りました。読書で使う桜柄の栞を購入。いや歌舞伎関係なくね
気づいたこと
1. 思ってたよりも静か
歌舞伎を見たことない一般人が抱く歌舞伎のイメージって、いわゆる「見得を切る*3」シーンじゃないですか。それ以外にも、強く印象にあるのは豪勢な演出や音楽の演奏など、歌舞伎は見た目・音ともに、「華やか」で「どぎつい」イメージじゃないですか。
実際の歌舞伎はもっと静かです。公演時間は70分くらいありましたが、うち60分は芸者のセリフのみで動きも静かな、いわば「静」の時間だったと記憶しています。こうした時間があるからこそ、見得や舞踊といった「動」の部分が映えるのだと感じました。
さらに言えば「動」の時間も、思ったよりずっと静かでした。今回の演目で使われた楽器は、小太鼓と三味線だけ。それに演者の声が重なる程度ですから、やかましいというほどの音が鳴るわけではありません。よくよく考えれば、演劇で音響がやかましいんじゃ劇を見に来たのか音楽を聴きに来たのかわかりませんから、そりゃそうなんですよね。
2. 思ってたより演劇に近い
先と被る部分はありますが、しっかり演劇が演じられていました。今回観たものは「時代物」という、歴史の出来事に題をとって作られたもの。台本に従って物語が進むという点は演劇でも歌舞伎でも変わりません。大道具、小道具、衣装、メイクといった演劇に必要なすべての要素は、歌舞伎においてもしっかり力が入っています。
演者が歌って踊る場面もあるという点では、演劇というよりミュージカルに近いのかもしれません*4。
3. 思ってたよりもかしこまってない
いちばんびっくりしたのがこの点でした。
歌舞伎といえば伝統芸能、という意識があり、観劇の際にはどうしてもガチガチになってしまいます。というか僕もそうでした。しかしふたを開けてみれば、一般的な観劇、あるいは映画鑑賞と特に変わったところはありません。室内は現代の設備ばかりだし、チケットの発券なども極めて現代的。客層も高齢者ばかりでなく、若い人も多く、なんだそんなに緊張することもないじゃないか、と感じました。
これから歌舞伎を見に行く人へ
チケットは早めに発券しておこう
開場時間に行くとチケット発券機の前には行列ができて時間がかかるそうです。事前に発券しておくといいでしょう。幸い銀座には見て楽しいお店がいっぱいあるので、開場前にチケットを取って、入場までの時間は街歩きを楽しむこともできます*5
ボイスガイドは必ず借りよう
音声による解説があるとないとでは歌舞伎の見え方も楽しさも全く変わってきます。難しい古典知識や歌舞伎の専門知識なども教えてもらえるので、絶対に借りるべきです。レンタルに500円かかりますが、必要経費と割り切りましょう。
古典語の知識があるとさらに楽しめる
より深く楽しむなら、高校で習う古典文法を勉強しておくといいでしょう。とはいえ歌舞伎は江戸時代に書かれたものですから、そこまで何を言ってるかがさっぱり……といったセリフは出てきません。パンフレットやボイスガイドの情報でもある程度楽しめますが、やはり演者のセリフがわかったほうが味わいも倍増します。
以上です。
歌舞伎の世界、一度足を踏み入れてみませんか?