最近のゴママヨについて、観察される現象を記す。
傷ついたCD論
以前の記事でゴママヨのおもしろさを構成する性質として、偶然性と発音のしづらさを指摘した。これについて、ゴママヨを語る上で重要な文献である[1]の作者、ThinaticSystem氏は次のように発言している。
ゴママヨの面白さ、説明しづらいけどこう、記録面に傷がついたCDを再生したときの音みたいな面白さ
— 無職 (@ThinaticSystem) 2021年3月5日
この「傷ついたCD」論は、音が連続するぎこちなさ、そしてそれによって生まれるおもしろさという面をうまく説明している。
名詞以外の連続の許容
以前の記事では、ゴママヨを「2単語以上の合成語で、その接続部分で連続する同じ音が含まれている状態、あるいはそのような合成語そのもの」と定義した。
この定義について、初期のゴママヨは暗黙のうちに「名詞+名詞」の組み合わせに限定されていた。しかし、最近では「名詞+名詞」以外の組み合わせも許容されているように見える。
例
はたらくくるま(動詞+名詞)
トリプルルッツ*1(形容詞+名詞)
すごく苦しい(すごくくるしい) (副詞+動詞)
名詞+名詞以外のゴママヨも認められているのは、やはり偶然による音の連続という根幹が共通していることに変わりないからだろう。
高次ゴママヨ
前回の記事では、高次ゴママヨおよびその次数について定義した。しかしながら、依然としてn=3以上についてのゴママヨは発見報告が少ない。
もちろん、高次ゴママヨは発見が難しいことも原因としてある。しかしながら、3次以上のゴママヨについては音の面白さが低減していることが、発見数が少ない(=見つけてもいちいち報告しない)ことと関連しているのではないかと考えられる。
ゴママヨの表記と誤ゴママヨ
ゴママヨを指摘するときにも、ある程度定まった文法が観察されている。
ゴママヨそのものを単体で指摘する場合には、「!?!?」を連続させてつける。繰り返しの数に厳密な規則はないが、ゴママヨの次数が高ければ高いほど繰り返しが多くなるケースが多い。発見時の驚きが上乗せされるからであろう。
例
「サイレンススズカ!?!?」
「モバイルルータ端末!?!?!?!?!?」
ツイートの文中でゴママヨを指摘する場合には、ゴママヨの後ろに(!?)をつける。この場合には、記号の繰り返しはせず、さらに半角記号を使うことが多い。ゴママヨが過度に目立つとツイートの本筋が伝わりづらくなるためであろう。
例: 「すべての自然数について、という命題を証明するときには、数学的帰納法(!?)を用いると、うまくいく場合があります。」
またこれを利用して、一見ゴママヨのように見えてそうではない単語に「!?!?」をつけることで、ゴママヨのように誤認させる用法がある。これを誤ゴママヨ*2と呼ぶこととする。
例: 「ダニング・クルーガー効果!?!?!?!?」
参考文献
[1] ゴママヨサラダ-用語集 | ㈲しなちくシステム