【論説】そろそろ本気でVTuberの話をしないか?

 こんにちは。ミカグラです。

 

 自粛期間が続いてstay homeを余儀なくされる今、すっかり私はバーチャルユーチューバー、VTuberにハマってしまいました。

 2, 3年前にもVTuberを追っていた時期があって(当時は電脳少女シロの追っかけをしていました)、現在のVTuberはそのころのものとはかなり違う印象を受けました。

 そこで今回は、現在爆発的に人気を博しているVTuberというカルチャーについて、黎明期のVTuber、さらにインターネットにかつて存在した「ニコ生」といった生配信文化との相違について論じ、そこから現在のVTuberの人気の理由を探っていきます。

 

 結構気合を入れて書きましたので、かなり重たい文章となっています。最後までお読みいただけるとありがたいです。

 

 

 

1 現在のVTuberについての概観

1.1 新時代の「令和VTuber

 まず初めに、現在のVTuberが、「キズナアイ」や「ミライアカリ」といった黎明期のVTuberが活躍していた数年前の時代とは、全く違う様相を呈しているということをお話します。

 2016年のキズナアイデビューから4年、VTuberは今や日に日に活動の幅を広げ、YouTube界の一つのカルチャーとして定着しています。しかしながら、四天王*1が活躍していた2017年ごろのVTuber文化と、2020年現在におけるVTuber文化は、全く違うものになっています。

 下に示したのは、有志による2020年4月における日本のVTuberの月間視聴回数ランキング、ならびに月間スパチャ*2収益額ランキングの動画です。

 

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 ここで、登録者数ランキングではなく、あえて月間視聴回数、スパチャ収益額ランキングを採用したのは、現在盛り上がっている・ファンがついているホットなVTuberを調べるためです(登録者数は、そのVTuberが活動してからの累計ファン数を集計したものであるため、最近の活動の活発さを示す指標では必ずしもありません)。

 こちらのランキングで顕著にみられるのが、特定の企業が運営するグループに属して活動を行う、俗にいう「企業系VTuber」と呼ばれる配信者たちの台頭です。こうしたグループのことを、VTuber界では「箱」と呼びますから、今後の文章でもこちらの表現を使っていきます。

 こうした箱の中でも、いちから株式会社が運営するVTuberグループの「にじさんじ」と、カバー株式会社が運営するアイドルVTuberグループの「ホロライブ」は、特に抜きんでた人気を誇っていることがわかります。実際にこの2つの箱に注目してランキングを見ると、上で紹介した「月間視聴数ランキング」では、1位と2位にある企業公式のチャンネルを除けば、上位18人*3中14人がどちらかに所属、スパチャ収益ランキングに至っては上位22人中20人がどちらかの箱に所属しています。

 これらの統計の結果から、現在のVTuberカルチャーを分析する上で、この2つの箱に所属するVTuberは、現代のVTuber文化を考察するうえでの極めて重要な対象であるといえます。ですから、今回はこれら2つの箱に所属するVTuberを中心に、議論を展開していいきます。

 そして、議論の円滑化のために、これらの箱所属、あるいはそれらと関係の深いVTuberのことを、ここでは「令和VTuber」と呼び、さら2017年ごろに最盛期を迎えた、四天王をはじめとするVTuberのことを「黎明期VTuber」と呼んで、区別することにしましょう。四天王が活躍した時期のVTuberと、現在のVTuberは全く違うあり方になっており、それを十把一絡げにして議論するのは非常に困難だからです。また、大きな企業に所属するVTuber以外にも、注目を集めている個人VTuberもおり、そうした人たちを議論の俎上に持っていきたいために、ここでは「企業系VTuber」という言葉を転用せず、新たにに令和VTuberという言葉を定義しました。

 

1.2 簡単な箱紹介

 上述した「にじさんじ」、「ホロライブ」について、簡単に説明を加えておきます。

 まず、にじさんじは、株式会社いちからが運営する、YouTubeを中心に活動するVTuberグループです。所属するVTuberは90人を超える大所帯で、男性/女性を問わず多くの個性豊かなメンバーが集っています。創設初期から活躍する月ノ美兎(つきの・みと)、Twitterで一躍話題になった御伽原江良(おとぎばら・えら)が特に有名でしょう。また、beatmaniaIIDXにおいて並外れた実力を見せ、音楽ゲーム界で有名なVTuberである社築(やしろ・きずく)もにじさんじ所属です。

 続いて、ホロライブは、COVER(カバー)株式会社が運営するVTuber事務所「ホロライブプロダクション」に所属する女性アイドルVTuberグループです。現在のメンバーは28人。創設期から活躍するときのそら、登録者数50万人を越える白上フブキ(しらかみ・-)が有名です。先日ビートまりおとのコラボが発表され、東方project界で話題となった宝鐘マリン(ほうしょう・-)も、ホロライブ所属のVTuberです。

 

1.3 「VTuberはもはやバーチャルではない」?

 ここまで「令和VTuber」の定義について語ってきましたが、彼ら*4の活動を見ていくと、ある一つの問題が浮かび上がります。それは、VTuberがVirtualの存在である」という、至極当たり前の前提が崩れている、ということです。わかりやすくいうと、令和VTuberの多くは、普段の活動でVirtualであるという側面を放棄している、ということもできます。

 そもそもこの主張は、「最近のVTuber(これは令和VTuberと同義の言葉ととらえて差し支えないでしょう)がもはやLive2Dを用いただけの生配信者と同じになってしまった」という、令和VTuberに対して懐疑的な立場から生まれた意見に端を発しています。黎明期VTuberを見て、その発展を夢見た人たちにとっては、現在活躍する令和VTuberに対してそのような感想を抱くことは、至極当然のことであるといえます。

 今回はこの問題を課題として掲げ、VTuberは本当にVirtualであることを捨ててしまったのか、そしてそれは本当に「皮をかぶった単なる配信者」なのか、ということについて、真剣に検討を重ねた結果を書いていきます。前半の「Virtualであることを捨てたVTuber」については2章、「令和VTuberは単なる皮をかぶった配信者なのか」という質問へのアンサーは3章で述べていきます。4章では、この問いに対する答えをもとに、令和VTuberの在り方を結論付けていきます。

 

2 Virtualであることを捨てたVTuber

 まず結論から言うと、「令和VTuberはVirtualであることをほとんど捨ててしまった」と言えると思います。、「令和VTuberの本質はVirtualであることではなくなった」とも言えます。

この主張を根拠づける例として、令和VTuberに代表的な5つの配信を用意しました。「令和VTuberの本質がVirtualであることそのものにはない」という主張それぞれについて、「Virtualとリアルとの相違」を判断基準にして分析したときに、ほとんど相違がないということが示せれば充分です。

 

2.1 Virtualであることを捨てていない例

 その前に、黎明期VTuberを見て、令和VTuberに違和感を覚える人たちがおそらく思い浮かべていたであろう、令和VTuberの配信を、2つ紹介していきます。

 

星街すいせい3D配信

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 一つ目に紹介したいのは、ホロライブ所属のアイドルVTuber星街すいせい(ほしまち・-)の3D配信です。星街はもともと企業に所属しない「個人VTuber」として、歌唱・作詞・動画作成などのマルチな才能を生かして活動していました。その後、ホロライブプロダクションの音楽レーベル「イノナカミュージック」への所属を経て、現在はホロライブのメンバーとして活動しています。

 特筆すべきはその映像技術の高さです。手の細部に至るまでのトラッキング技術の高さはもちろんのこと、垂れた髪やスカートの自然な舞い方、さらに舞台床への映り込み*5など、COVERの技術力が結集した映像でした。事前に取られた動画ではなく、生配信で行われたものであるというのも驚きです。

 この配信はすさまじい人気を誇り、ハッシュタグである #星街すいせい3DTwitterの世界トレンドで1位を獲得するほどでした。間違いなく、バーチャルアイドルとして大成功を収めた配信であるといえるでしょう。

 生配信で歌って踊るという、アイドル本来の姿を見せた星街すいせいのこの配信には、VTuber黎明期から思い描かれていた「バーチャルアイドル」としての一つの正解が映し出されていたといえます。

 

社築 3Dお披露目配信

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 二つ目に紹介するのは、先ほど紹介したにじさんじ所属のVTuber社築の3D配信動画です。

 ふつう、VTuberが自身の3Dモデルをお披露目する際には、全身の動きがよく伝わるような企画をするのが普通です。しかし、彼がこの配信で見せたのはbeatmaniaIIDXのプレイ配信でした。

 beatmaniaIIDXは、流れてくるノーツに合わせて指でボタンを押し、ターンテーブルを回す音楽ゲームです。それゆえに、注目されるのは大きな身体の動きではなく、指先の小さな動きです。これをVirtualの形で映像として見せるのが難しい企画であることは想像に難くありません。

 しかしながら、当日行われた生配信では、指先の動きを再現する高度なトラッキング技術に加えて、実力相応のハイレベルなプレイ*6、実際のIIDX筐体を再現した筐体モデル、さらに「鍵盤の裏から指の動きを鑑賞する」というバーチャルならではの演出で多くの視聴者を魅了。配信ハッシュタグ#やしきず3D世界トレンド1位、最大同時接続数は5.7万人という驚異的な数字を叩き出した、VTuber界の歴史に残る配信であったといえます。

 これも、旧来からあった「Virtual存在によるエンタメ配信」としての、一つの理想形であるといえます。

 

 さて、これらにあげた2つの例は、確かに黎明期VTuberから続く、3Dモデルによるエンターテインメント配信であるといえましょう。しかしながらこうした配信はごく一部の特別企画であることが多く、令和VTuberのふだんの配信には、Virtualの強みを生かした配信とは言えないものがほとんどです。以下で、その例を見ていきましょう。

 

2.2 ゲーム配信

不破湊 スプラトゥーン配信

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切り抜き動画*7

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 上にあげたのは、にじさんじ所属の「バーチャルホスト」である不破湊(ふわ・みなと)のゲーム配信です。彼はバーチャルホストという肩書ながらお酒が飲めない・腰が低いなどのギャップや、配信中にたびたび見せる適当な発言(いわゆる「脳死トーク」)などで人気を集めています。この配信では、同じにじさんじに所属するVTuberである(かなえ)、アルス・アルマル椎名唯華(しいな・ゆいか)とのコラボをしています。

 不破はスプラトゥーン2におけるかなりの実力者で、スプラトゥーン2の実力指標である「ウデマエ」は、4つのルールすべてで最高ランクであるXを保持しています*8。忙しい方は下にある5分ほどの尺の切り抜き動画を見ていただけると、その腕がわかると思います(この試合で不破は5分間に20キルという驚異的な記録を残しています)。

 他にも、先にあげた星街すいせい社築も、ふだんはこうしたゲーム配信などをして活動しています。星街テトリスの実力者としてよく知られており*9、過去の配信でもテトリスのプレイ配信は多くの人気を博しています。古今東西のゲームに通暁しており、最近では鬼畜ゲーとして知られるSEKIROのRTA配信が注目を集めました*10

 しかし、このようなゲーム配信は、従来YouTuberとして活躍していたVirtualでないYouTuberや、在りし日の「ニコ生配信者」と非常に形態が似ています。Virtualとリアルの違いという観点から見れば、3D配信者の代わりに、右下や左下にLive2Dによる配信者の顔が映し出されている程度しか相違点は見られず、現在の令和VTuberの主な活動であるゲーム配信は、Virtualであることを活かしているとは言えません

 

2.3歌配信

 特にアイドルVTuberグループのホロライブでよくみられる「歌配信」も、令和VTuberによくみられる配信形態の一つです。今回はその一例として、ホロライブ所属のVTuberである角巻わため(つのまき・-)による配信を見てみましょう。

 

第13回 わためえNight Fever!!

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 「わためぇ Night Fever!!」と題して週1度行われる歌配信では、最新のアニソン・ボカロ楽曲から、往年の名曲まで、幅広いジャンルの歌が歌われています。気志團の楽曲「one night carnival」ではサングラスをつけて歌ったり、またアンコールでは「オリオンをなぞる」と「新宝島」が定番になっていたり*11と、「恒例」がある歌番組のような楽しみ方ができるのも魅力です。

角巻以外にも、アイドル事務所のホロライブに属するメンバー、さらにそれ以外の多くの令和VTuberも、歌配信を行っています。なかにはニコニコ動画で見られた「歌い手」などのように、「歌ってみた」動画をあげるVTuberも少なくありません。彼らにとっての「歌う」という活動は、主要な配信形態の一つです。

 しかしながら、これも「Virtualでないとできない」配信であるとはいえません。「歌ってみた」動画や生歌配信は、過去の「歌い手」や生配信者が行っていたように、三次元の配信者にも十分にできうる内容です。

 

2.4 雑談配信

楠栞桜 10万人記念雑談

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 歌配信やゲーム実況と並んで令和VTuberに多い配信形態として、雑談配信があります。これは、配信者が最近の近況や今後の予定などを、視聴者のコメントへの返しも混ぜつつ、つらつらとしゃべっていくというものです。

 上にあげたVTuberである楠栞桜(くすのき・しお)は、小柄で可愛らしいキャラクターとは裏腹に、常人離れした麻雀の腕*12により注目が集まったVTuberです。最近では、企業系VTuberとのコラボや数々の麻雀案件などを経て、登録者数10万人を突破した、個人勢ながら最も勢いのある令和VTuberの一人です。

 この雑談配信でも、身の上話、麻雀の話など様々なトークテーマで雑談をし、配信の最後には、親交の深いにじさんじ所属VTuber郡道美玲(ぐんどう・みれい)が麻雀配信をしていると知り、同卓を試みる一幕もあるなど、気ままに配信が行われました。

 しかしながら、「Virtualとリアルの相違点」という観点からは、配信画面に映っているのがリアルの人間かVirtual世界の住人かという違いしかなく、ゲーム配信・歌配信と同様に、Virtualであることが特徴的な配信であるとは言えません

 

2.5 トークライブ

舞元力一 #35

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 上にあげたのは、にじさんじに所属するVTuber舞元啓介(まいもと・けいすけ)とジョー・力一(-・りきいち)によるトークライブ「舞元力一」です。雑談配信に似ていますが、こちらは基本的には2人、ゲストを招く場合は3人ないしは4人で、視聴者からのお便りをベースに出演者がトークを繰り広げる、さながらラジオのような配信となっています。それぞれのトーク力に加え、二人の絶妙な掛け合いが人気で、多くのファンに支持されています。

 ラジオ形式のこの配信が、Virtualであることのメリットを捨てているのは明らかでしょう。画面にはほぼ動きはなく、ただ出演者のトークの面白さだけで成り立っていて、出演者がVirtualな存在であるという事実はほとんど介在していません。再び「Virtualとリアルの相違」という点でいえば、ラジオ配信においては全く相違がないといっても過言ではありません。

 

2.6 オフコラボ

ぶるーずオフコラボ

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 2019年7月ににじさんじでデビューした同期である、相羽ういは(あいば・-)、黛灰(まゆずみ・かい)、アルス・アルマルの3人によるオフコラボ配信です。普段はオンラインで活動する存在なだけに、実際に顔を合わせての配信は特に注目を集めます。

 令和VTuberの配信形態として珍しくないオフコラボですが、この配信には他にはない特徴があります。配信内容はゲームのプレイ、さらに3人でアイスを食べるといった普通のものなのですが、相羽の提案により、3人が手錠で互いに手を繋がれた状態で配信を行うという衝撃的なギミックが仕込まれています*13

 これに関しては、この3人がVirtualの存在であることが、むしろマイナスに働いてすらいます。確かに、ジャラジャラという手錠の音とトークだけで場の空気を表現できるという点は評価できます。しかし、どう考えても、生身の人間が手錠をつけている様子が画面に映されている方が、ゲームや食事のときの行動の不自由さが伝わって面白いに決まっています。

 

 ここまで、令和VTuberの主な配信形態を見てきましたが、このように、「Virtualとリアルの相違点」という観点からは、令和VTuberの良さを感じることはできず、従来活動していた生配信者と同じ、あるいはともすれば、その劣化版コピーともとらえられかねません。

 では本当に、現在活躍している令和VTuberは、従来の生配信者の劣化なのでしょうか?次の章では、令和VTuberの発展をとらえる新しい主題として「関係性」というキーワードを提示し、この立場から従来の生配信者、また黎明期VTuberとの相違、さらに令和VTuberの本質部分を論じていこうと思います。

 

3 「関係性」という新機軸

 2章では令和VTuberが、もはやVirtualであるという特徴づけでは語ることができないということを論じてきました。この章では、こうした令和VTuberをとらえるうえで、「関係性」という新たなる観点を提案し、この観点をもとに、令和VTuber独自の特徴を彫り出していきます。

 

3.1 コラボ配信とハッシュタグ

 先ほどの「ぶるーず」や「舞元力一」などのように、令和VTuberは一人での配信だけでなく、同じ企業内・あるいは企業外でのコラボで配信をすることがよくあります。ここまでは普通の配信者にもあったかもしれない動きですが、彼らの特徴的な部分は、一つ一つのコラボごとにハッシュタグをつくる、つまり名前を付けるということを頻繁する、という点です。いわゆる「ユニット組み」と言ってもいいかもしれません。

 一回のコラボの関係が長く続き、視聴者に愛されるようになったユニットも少なくありません。一つの例として、にじさんじの「ド葛本社」を取り上げてみましょう。このユニットは、にじさんじ所属のVTuberであるドーラ葛葉(くずは)、本間ひまわり(ほんま・-)、社築の4人が、それぞれ母、弟、姉、父の役割を演じて、家族のようにパーティーゲームなどの配信を行うユニットです。この4人は同期というわけではなく、公式の設定もそれぞれドレイク、吸血鬼、エンジニア、女子高生と全くバラバラでした。しかしながら、コラボを重ねることで関係が深まり、人気を集めるようになりました。最近では4人での歌ってみた動画も投稿されているほか、配信では本物の家族のようにふるまい、視聴者を楽しませています。

 

ド葛本社 Wiiパーティ

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 このように、一つ一つのコラボに重点を置いたり、ユニットでの活動で楽しませたりするといった関係性の構築は、令和VTuberに見られる特徴であるといえます。

 

3.2 てぇてぇ文化

 先の節で紹介したコラボ配信で、VTuber同士が時に恋人同士のようなやりとりを見せることがあります。その時に書き込まれる決まり文句が「てぇてぇ……」です。

 「てぇてぇ」という言葉は「尊い」という言葉がなまったものです。その「尊い」という言葉について、ニコニコ大百科に興味深い記述がるので、引用します。

 

萌えは主体である俺らからキャラクターに向けた「好き」「かわいい」という感情

対して尊いは作中キャラクター同士の「関係性」に対して使い

そこに主体たる俺らが介在しないケースが多いように思う

 

 この説明によるなら、視聴者たちもVTuber同士の「関係性」に着目してコンテンツを楽しんでいる、と考えることが可能です。

 てぇてぇ文化の土壌として有名なのは、ホロライブに所属する猫又おかゆ(ねこまた・-)、戌神ころね(いぬがみ・-)によるユニット「おかころ」です。VTuberとしてデビューする前から仲の良かった2人は配信中でも特に深い関係を見せ、視聴者から大量の「てぇてぇ」を受け取っています。2人でのコラボ配信がなかなかなかった時代には、おかころの絡みを求めるファンが急増し、「おかころ難民」というワードが生まれるほどとなりました。これは、視聴者が2人の関係性を待ち望む一例であるといえます。

 

おかころ オフコラボ

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 また、にじさんじ所属の健屋花那(すこや・かな)、白雪巴(しらゆき・ともえ)の2人は、デビュー以降の知り合いではあるものの、オフコラボなどで交流をし、現在では「キスをする」とか「身体に噛みつく」などといった過激な関係性で注目を集めています。いつしかこの2人は「にじさんじ性癖コンビ」の名前で呼ばれるようになり、2人も関係性を求める視聴者のニーズに応えるかのような配信をしています。

 

にじさんじ性癖コンビ お泊り配信

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 令和VTuberと視聴者の作り上げる「てぇてぇ文化」は、視聴者がVTuber間の「関係性」を求めた結果の一つの文化であるといえます。

 

3.3 凸待ち

 令和VTuberのもつ「関係性」という特徴を色濃くあらわした独自の配信形態があります。それは、登録者数のキリ番記念や誕生日記念などで行われる、「凸待ち」とよばれるものです。

 この「凸待ち」というのは、一時期niconicoで行われた凸待ちとは大きく違います。ニコニコ動画におけるユーザー生放送での凸待ちは、配信者がSkype IDを公開して、視聴者からの着信を募り、視聴者と会話をするものでした。これに対して、現在の令和VTuberが行っている凸待ちは、VTuberが別のVTuberからの連絡を待つ、という形態のものです。

 すなわち、令和VTuberの凸待ちは、配信者と視聴者の交流の場ではなく、VTuber同士の関係性を示していく配信である、ということができます。

 実際の凸待ちの例として、ここではホロライブ所属のVTuberロボ子さんの凸待ち配信を見てみましょう。彼女は自身の太い人脈を生かし、ホロライブ内部。外部問わず、多くのコラボ配信を行ってきました。それもあって、20万人記念凸待ちの際には、ホロライブ内部のメンバーだけでなく、競合他社ともいえるにじさんじはじめその他の企業に所属するメンバーや、個人で活躍するVTuber*14が多く駆け付けました。こうした凸待ち配信では、多くの関係性を眺めることができます。

 

ロボ子さん 20万人凸待ち

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 凸待ち配信のもう一つの例として、先ほど紹介した黛灰のチャンネル登録者10万人記念凸待ちを取り上げます。

この配信は、なんと「通話による凸が一人も来ない」という不測の事態で幕を閉じました。この「凸0人*15」は今でも黛の代表的な配信となっていますが、この「ネタ」は、たくさんのにじさんじVTuberによる「空気を作る協力」があってこそ成り立ったものだと、本人も語っています。また、通話による凸こそ来なかったものの、黛のもとにはたくさんのテキストメッセージが届いており、ここからもと他VTuberの関係性を見てとることができます

 

黛灰 10万人記念凸待ち

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切り抜き動画 (ダイジェスト)

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 このように、令和VTuberによる「凸待ち」という新しい配信形態は、VTuber同士の関係性に根差した、独自のコンテンツであるといえます。

 

3.4 猫又おかゆ裁判

 令和VTuberと関係性といったトピックを語るうえで、もうひとつ重要な動画である「おかゆ裁判」の話をさせてください。この配信は、先に述べたVTuber猫又おかゆが、ホロライブメンバーに対して仕掛けた数々の悪行(もといイタズラ)を告発され、視聴者の投票により有罪・無罪を決定するという企画です。

 

猫又おかゆ裁判

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 1時間ほどの配信ですが、ほぼすべてが猫又とその関係者たちとのエピソードトークです。即ち、これらのVTuberとの関係性がわからないと、フルに楽しむことはできないコンテンツになっています。にもかかわらず、公開期間およそ半年にして、現在の視聴回数は70万回と高い数値を誇っています。

 こうした動画が人気を博するのも、視聴者の間にVTuber間の関係性を求めるファンが多いことの証左になるのではないでしょうか。

 

 以上、「関係性」という観点によって、令和VTuberの様々な特徴がとらえられることを示してきました。令和VTuberは、今やVirtualな存在であることではなく、彼ら、彼女らが作ってゆく関係性のなかに、従来まであった配信カルチャーとの、そしてVirtualであることを本質とした黎明期VTuberとの違いがあることがお判りいただけたと思います。

 この考え方をもとに、次章で令和VTuberが大きなカルチャーとなった理由、VTuberカルチャーに特有の「もう一つの楽しみ方」を探っていきます。

 

4 令和VTuberはなぜここまで大きなカルチャーになれたのか

4.1 令和VTuberは「物語を紡ぐ」カルチャーだ

 前章で、令和VTuberの大きな特徴である「関係性」について説明をしていきました。この立場をもとに考えると、令和VTuberの新しい楽しみ方が考えられます。それは、リアルタイムで構築される、VTuberたちの物語を読む、という新たなものです。

 普段のゲーム配信、歌配信、さらに雑談配信などは、VTuber本人がやりたいことをやる、というものです。「物語」という立場からすれば、こういった配信では、そのVTuberのキャラクターが決定していく、ということができます。前述の例で言えは、不破スプラトゥーンの凄腕プレイから「ゲームの上手い人」、その合間に挟まる「脳死トーク」により「適当な性格」といったキャラ付けがなされるし、角巻の配信なら「歌が好き」というキャラが定着します*16。ここまでは、従来の配信文化と同じように、「個人の活動を楽しむ」という仕方でコンテンツが成立します。

 しかし、令和VTuberは、単なる配信者であるだけではなく、ほかのVTuberとのコラボやユニットの結成などを通して、我々と同じ時の中で、新しい関係を構築していく存在でもあります。コラボの回数が重なれば、特定の関係が深化され、出会った時よりも親密な関係になっていきます。それが月単位で続けば、そこには一定のドラマが生まれ、それが年単位にもなれば、歴史、文脈が生まれていきます。それは一種の物語と呼んでよいほどに発展していきます

 こうして、VTuberの間には、リアルタイムで関係が構築され、リアルタイムで物語が紡がれていきます。筋書きも台本は存在しない、リアルタイムのドラマが広がっていくのです。2020年現在加速するVTuberブームは、従来の配信文化にはなかった「物語としての楽しみ方」という、新しいあり方に支えられているのではないでしょうか。

 

4.2 なぜ今、箱のVTuberが人気なのか

 こうして考えると、現在の視聴回数ランキングやスパチャ収益額ランキングの上位に軒並み「箱」所属のVTuberたちが名を連ねているかどうかも説明がつきます。グループに所属しているVTuberは、グループ内でのコラボが容易だからです。コラボの回数が増えれば、作られる関係性は必然的に増加し、紡がれる物語の数も多くなります。

 また、箱内のあるVTuberのファンになったが、過去にそのVTuberが紡いだ物語の中の登場人物を追っているうちに、いつのまにかその人たちのことも追うようになった、という例は少なくありません。こうして、お互いがお互いのファン同士を増やすような仕組みになっていることも、「箱」人気の一因であると考えられます。

 他にも「箱」に所属することのメリットはありますが、関係性という立場から論じられるメリットは、この2つが大きいのではないでしょうか。

 

4.3 なぜ、彼らはVirtualな存在なのか

 ここで改めて、なぜ彼らはVirtualな存在でいるのかということについて、一つの答えを考えることができます。それは、Virtualな存在である方が、物語の構築にとって都合がいいからです。

 Virtual存在としての配信者は、たいていの場合は、それまでの経歴をもたずにデビューします(配信者自身から自分の過去が明かされることもありますが、ひとまずデビューしたての頃は、何も知らない状態からのスタートです)。あるものは人間として、あるものは異世界からの修行者として、またある者は人間世界を知るために、などなど。こうした真っ白な状態から、物語が紡がれていきます。

 これらの物語を想像することは、我々と同じ立場にいる「生身の人間」を対象とするよりも、どこか離れた場所にいる「Virtual存在」を対象とする方が、ずっと行いやすいと考えられます。現実世界の人物をそのまま動かすよりも、架空のVirtualな世界にいるVTuber達が動き、物語を作っていくという「現実離れ」したもののほうが、想像するのは容易でしょう。

 それだけでなく、視聴者からはファンアートがよく送られます。そういった絵の中には、関係をもつVTuberや、ユニットのメンバーを一枚に収めることが非常に多いです。こうしたファンアートも、配信者自体単純化された、二次元の存在にいることによって、描きやすくなります。配信者がVirtualであることは、ファンが物語を支えるという行為を促しているのです。

 

5 まとめ

 今回のブログを通して、現在流行している令和VTuberたちの特徴を論じていきました。彼らの大きな特徴はVirtualな存在であることそのものではなく、彼らが配信を通してリアルタイムで築く「関係性」にある。そして、従来の配信文化や黎明期VTuberにはなかった、関係性の構築や発展を見守り、ひとつの大きな物語を楽しむという新しいカルチャーとして成立していった。というのが、今回の議論のまとめです。

 

 ブログの締めにあたって、いろいろと述べていきます。

 まず、これは筆者が十分に納得いくまで考察した結論であり、論理展開にも齟齬がないように細心の注意を払いましたが、それでも事実に反した記述、あるいは論理的に誤った記述があるかもしれません。このブログの内容に関して、質問・意見をもつ読者がいましたら、ぜひともご指摘いただけると幸いです。できる限り議論の材料とさせていただきたいと思っております。

 また、VTuberの人気をとらえる観点は一つではなく、様々な観点があってしかるべきであると思います。今回は、その中の「関係性」という視点に立ち、令和VTuberの新しい特徴を考察してきましたが、ほかにも違う角度からVTuberを観察することで、この文化の新たなる側面が見えてくると思います。

 そこで、「私はこう思う」という意見をお持ちの方は、ぜひ「文章」を書いていただきたい。令和VTuberが一つのサブカルチャーとして成熟を見せ、今やほかのサブカルチャー、あるいはメインカルチャーへと波及していくという中で、今一度VTuberという文化について理性的に考証をすることは、一つの価値を持つように思えます。フィールドワークに十分な材料は出そろっています。私は、学問世界に籍を置く一人の人間として、また、VTuberのファンとして、多種多様の、科学的手法で分析されたVTuber論が読みたい。

 そろそろ、本気でVTuberの話をしませんか。

 

 記事執筆にあたってヒントをくださった多くのVのオタクの皆様に感謝します。不特定多数の目に触れる読み物であるという性質上、プライバシー保護のために名前を出すのは控えさせていただきます。

 

 ここまでお読みいただきまして、本当にありがとうございました。この記事を読んで、VTuberに興味を持つ方、またVTuberについて理性ある考証をしてくれる方が増え、VTuberという文化がさらに盛り上がりましたら、これに勝る喜びはありません。

 

 最後に、今回記事の主要部分に引用しました令和VTuberのみなさまのYouTubeチャンネル、並びにTwitterアカウントを以下に掲示して、謝辞に変えさせていただきます。ありがとうございました。

 

1.2

月ノ美兎

YouTubehttps://www.youtube.com/channel/UCD-miitqNY3nyukJ4Fnf4_A

Twitter: @MitoTsukino

御伽原江良

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCwQ9Uv-m8xkE5PzRc7Bqx3Q

Twitter: @OtogibaraEra

社築

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCKMYISTJAQ8xTplUPHiABlA

Twitter: @846kizuQ

ときのそら

YouTubehttps://www.youtube.com/channel/UCp6993wxpyDPHUpavwDFqgg

Twitter: @tokino_sora

白上フブキ

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCdn5BQ06XqgXoAxIhbqw5Rg

Twitter: @shirakamifubuki

宝鐘マリン

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCCzUftO8KOVkV4wQG1vkUvg

Twitter: @houshoumarine

2.1

星街すいせい

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC5CwaMl1eIgY8h02uZw7u8A

Twitter: @suisei_hosimati

社築 (前述)

2.2

不破湊

YouTubehttps://www.youtube.com/channel/UC6wvdADTJ88OfIbJYIpAaDA

Twitter: @Fuwa_Minato

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCspv01oxUFf_MTSipURRhkA

Twitter: @Kanae_2434

アルス・アルマル

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCdpUojq0KWZCN9bxXnZwz5w

Twitter: @ars_almal

椎名唯華

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC_4tXjqecqox5Uc05ncxpxg

Twitter: @yuika_siina

2.3

角巻わため

YouTubehttps://www.youtube.com/channel/UCqm3BQLlJfvkTsX_hvm0UmA

Twitter: @tsunomakiwatame

楠栞桜

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCPzlCaUmR2MFfIjpmosMM0A

Twitter: @Sio_Kusunoki

郡道美玲

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCeShTCVgZyq2lsBW9QwIJcw

Twitter: @g9v9g_mirei

2.5

舞元啓介

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCJubINhCcFXlsBwnHp0wl_g

Twitter: @maimoto_k

ジョー・力一

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UChUJbHiTVeGrSkTdBzVfNCQ

Twitter: @JoeRikiichi

2.6

相羽ういは

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCnRQYHTnRLSF0cLJwMnedCg

Twitter: @AibaUiha

黛灰

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCb5JxV6vKlYVknoJB8TnyYg

Twitter: @mayuzumi_X

アルス・アルマル (前述)

3.1

ドーラ

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC53UDnhAAYwvNO7j_2Ju1cQ

Twitter: @___Dola

葛葉

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCSFCh5NL4qXrAy9u-u2lX3g

Twitter: @Vamp_Kuzu

本間ひまわり

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC0g1AE0DOjBYnLhkgoRWN1w

Twitter: @honmahimawari

社築 (前述)

3.2

猫又おかゆ

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCvaTdHTWBGv3MKj3KVqJVCw

Twitter: @nekomataokayu

戌神ころね

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UChAnqc_AY5_I3Px5dig3X1Q

Twitter: @inugamikorone

健屋花那

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC8C1LLhBhf_E2IBPLSDJXlQ

Twitter: @sukosuko_sukoya

白雪巴

YouTubehttps://www.youtube.com/channel/UCqm3BQLlJfvkTsX_hvm0UmA

Twitter: @tomoe_shirayuki

3.3

ロボ子

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCDqI2jOz0weumE8s7paEk6g

Twitter: @robocosan

しぐれうい

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCt30jJgChL8qeT9VPadidSw

Twitter: @ui_shig

黛灰 (前述)

3.4

猫又おかゆ (前述)

*1:キズナアイミライアカリバーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん輝夜電脳少女シロの5人。VTuber黎明期を支えた功労者としてまとめられる。え?四天王なのに5人だって?君のような勘のいいガキは嫌いだよ。

*2:スーパーチャットSuperchatの略称。YouTubeへの申請が通った配信者には、配信中にお金を投げることで、自分のコメントをハイライト表示できる。いわゆる投げ銭

*3:バーチャル界には鬼、悪魔、エルフなど人間でないものもたくさんいますが、面倒なので以降はVTuberを種族にかかわらず1人、2人と数えることにします。

*4:VTuberには男性/女性のほかにも、性別が不詳であったり、種族の関係で性別をもたなかったりするため、このような書き方は不適切ではありますが、残念ながら日本語には適切な語彙がないので、以降は三人称複数として「彼ら」を使っていくことにします。

*5:「映り込み」とは言っても、バーチャル世界の中で物理的に光の反射が起こっているわけではないので、反射している面は計算をもとに「そう見えるように」独自に映像が作られています。

*6:生配信で3y3s(A)を一発でハードクリアしています。やばすぎ。

*7:有志によりあげられている、VTuberの生配信における見どころを切り取り投稿された動画のこと。VTuberの配信は基本的に1時間以上の尺があるため、配信アーカイブを全部見ることは難しい。そのためこうした動画を代わりに視聴することがある。

*8:ウデマエの評価対象となるガチマッチでは、時間ごとに4つのルールが入れ替わりで行われるため、ルールごとにウデマエが評価される。ちなみに4ルールすべてでXを保持しているプレイヤーはスプラトゥーン2におけるアクティブプレイヤーの上位1%程度しかいないらしい。

*9:テトリス99では、通常モードで1位を取ったプレイヤーだけが遊べるVIPモードにて、2連続で1位を取った配信があります。

*10:その時の記録は47分9秒で、世界ランキング61位の記録だそうです。すげぇ。

*11:それぞれの曲を指して「なぞっちゃう?」と「踊っちゃう?」が決まり文句です。

*12:特に、複数卓を同時に進行するマルチタスク能力、正確無比な待ち牌読みは人間離れしており、「麻雀マシーン」と呼ばれるほどです。

*13:なんでそんなこと思いつくん?

*14:特に、イラストレーターでもあるVTuberのしぐれういは、前述した「企業系VTuber」との関係が深く、企業に所属しない令和VTuberの主要メンバーです。

*15:ちなみに、凸待ち配信にて凸0人を達成してしまったVTuberは、彼一人ではありません。

*16:週末の「わためぇNight Fever!!」とは別に、平日は毎日朝に「わためのうた」という歌動画を投稿しており、歌好きの性格とみなすには十分でしょう。