買った。
もうこれで終わりにしたい
現在のキーボード
いままで使っていたのは YUNZII AL66。メカニカルの 65% キーボードである。
打鍵感ヨシ利便性ヨシのキーボードで長らくメイン機となっていたのだが、ちょっとした仕様に苦しめられていた。
ご覧の通り、このキーボードには F1-F12 が存在しない。これらのキーは、 Fn と対応するキー(1, 2, ..., 0, -, =)を押すことで入力できるほか、 Fn を 2 回続けて押すと上段のキーを F1-F12 キーに切り替えることができる。
この「切り替えることができる」機能が大問題で、なんとこの機能、オフにすることができない。うっかり切り替えてしまい数字キーが入力できないことはザラ、最悪の場合にはファンクションキーの機能が発動して困ることすらある。たとえばウェブページ閲覧中に急に全画面表示になるとか、リロードされるとか、あるいは開発者モードに移行して HTML ソースコードが見えるとか。
それはそうだが、数字キーの入力頻度はファンクションキーのそれよりずっと高い。それなのにうっかり Fn を 2 回触るだけで数字キーとファンクションキーの表裏が後退するのは困る。全く必要ない機能がオフにできないのも困る。
じゃあ Fn なんか触らなきゃいいじゃない、と思う方もいるかもしれない。ところが 65% というサイズで Fn を使わないなんて運用はありえない。実際におれの使っている現在のキーマップは次の通り。
単独の Delete とは別に Fn+BackSpace に Delete の役割を持たせているし、HHKB をまねて Fn との同時押しにより矢印キーを使っている。Fn+W にはメディアの再生・停止も割り当てている。そういうわけでけっこう Fn を使うので、さっきの仕様はかなりやっかい。
現在のキーボード2
ところでおれはすでに HHKB Type-S の日本語配列を所持している。
AL66 のおかげで現在はメイン機の座を退いてはいるが、軽さを生かして携帯用キーボードとなっている。ちょっと気分を変えたいときに、出先のカフェやワーキングスペースでパソコンとともに活躍の場が与えられている。
ただ、もう身体が英語配列に慣れ切ってしまって、日本語配列のキーボードでは満足できない。記号の位置などはその都度頭を切り替えればいいし最悪印字を見ればどうにかなる。ただ Enter と BackSpace の遠さだけは本当にどうにもならない。
これがノートパソコンのキーボード程度なら我慢できるが、外出時に大量の文字を打つ相棒として考えると看過できない。持ち運びキーボードも英語配列にしたいなあという欲が湧いている。
キーボードを更新する
こうした背景があって、新しくキーボードに手を出すことにした。
主な目的はメイン機の更新。求める条件は次の通り。
- 英語配列
- (ある程度)打鍵感がいい
- 自由にキーリマップができる
それはそれとして、持ち運び用のキーボードも英語配列にしてしまいたい。こちらは打鍵感は多少妥協してもよくて、それよりも携帯するための軽さを重視したい。ただあまりチープなものだと「それならノートパソコンのキーボードでよくない?」となってしまうので迷いどころ。
そこで気づいた。英語配列の HHKB 買えば良いじゃん。
クセつよ配列に慣れよう
HHKB といえば「クセつよ配列」とはよく言われるが、こと英語配列の HHKB を使うにあたってほかのキーボードと大きく違う部分は次の 3 つ。
- CapsLock の位置に Ctrl (おれは「A 横 Ctrl」と呼んでいる)
- Fn と同時押しで操作する矢印キー
- 右上キーを分割し(いわゆる Split BS)、バックスラッシュの位置に BackSpace
このうち「A 横 Ctrl」はもうずっと使っていて、恩恵を最大限享受している。また、Fn 同時押しによる矢印キーの操作もすでに導入していて、慣れている。右下の矢印キーに手を伸ばさなくてもいいので、これもまた便利。
3qua9la-notebook.hatenablog.com
とすると、 HHKB を導入するのに残る障壁は BackSpace の位置のみ。というわけでキーマップをいじって BackSpace をバックスラッシュの位置に移動させてみた。
これがけっこう快適。大きさとしては一般的な英語配列より小さくなってはいるが、 BackSpace が下段に降りてきたことによる体感の近さはかなり変わる。一方でバックスラッシュはやや遠くなったが、それでも使う頻度を考えれば妥当な変更に感じる*1。
考えてみれば、いずれも使用頻度の高い Ctrl 、矢印キー、 BackSpace がそれぞれキーボードの左下(および右下)、右下、右上に配されているともなればそりゃ手の動きは大きくなる。HHKB はこれらのキーが遠いというデメリットを一挙に解決している。決してめちゃくちゃなアイデアではなく、最小限のスペースを活用するために考え抜かれた特別な配列だと感じる。
ともあれ、これで「クセつよ配列」を導入する準備は整った。
65% キーボードの検討
さて、 HHKB のキー配列をこれだけ 65% キーボードで再現できるなら、いっそ 65% から選択してもいいのでは?という疑問も当然として挙がる。
ただ、65% でのキーコンフィグ再現はまあまあつらい。というのも Fn のキー周りにいろいろごちゃごちゃとしたキーがいっぱいあって、なんか触りにくい。 HHKB であれば Fn の下に空間があるので、ミスタイプが少なくなるはず。
あとバッククォートを左上にせざるを得なくなるのもつらい。おれは極端な右利きで右手に比べて左手がとても不随意なので、左上のキーは押しにくくて困る。とくに「うっひょ~~~~~~!」*2みたいな文を打つときは Shift と同時押しでキーを叩くことになるのでもっとつらい。やっぱり右上の Split BS が偉いと感じざるを得ない。
ちなみに 65% から選択するならたぶんハードウェアをほぼそのままにキーリマップアプリ QMK に対応した YUNZII AL68 を買うと思う。いや同型買うんかい
購入
というわけで、 HHKB 英語配列を購入。出先でも使いたいので静音仕様の Type-S を選んだ。色はそれなりに迷ったけど、モダンで人気の高い雪ではなく墨を選択。現代の文房具ともいえるデバイスに古典的文具の名前をつけるセンス、素敵やん。
しばらくはこれを唯一のメイン機として運用する予定。平日は研究室に置いておき、週末になったら持ち帰ってカフェなどに持ち出す。十分に身体を HHKB の配列に慣らしたので、さすがにもう不満が出てくることはないと信じたい。
さて、おそらくもう使わないであろう HHKB Type-S 日本語配列は処分しようと思う。どこかのリサイクルショップに売っても良いが、せっかくなので仲のいいフォロワーさんでほしい人がいたら有償でお譲りします。
詳細はこちら
- HHKB Type-S (静音モデル)墨 日本語配列
- 最新*3ファームウェアインストール済、キーマップはすべて初期化済
- 本体の清掃ならびにキーキャップの洗浄済
- 別売りの吸振マットを取り付け済
- 説明書、単三電池 2 本の付属品つき
おれが英語配列から戻れなくなったというのが乗り換えの理由なので、キーボードそれ自体はまだまだ現役。打鍵感・機能性・携帯性は相変わらずトップクラスで、日ごろからずっとタイピングをしている人にとってはきっといいプロダクトのはず。誰かに使ってもらえると嬉しいなと思う。