【キーボード】「A横Ctrl」を全人類に広めたい(7/26更新)

Happy Hacking Keyboard、通称「HHKB」を購入した。

 

写真は公式HPから。かっこいい。

これのレビューを書いているが、文章量がすごいことになってるので、とりあえずこれだけ聞いてくれ!って部分を独立した記事にしてしまうことにした。最近駄文しか書いてない気がするので今日はちゃんとしたお役立ち情報を書きます。

 

さて、従来のキーボードとは異なった独特の配列を持ち、「変態配列」とも揶揄される HHKB。その中でも最も目につく部分と言えば、この配列だろう。

 

「CapsLock どこに行った?」「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

 

もともと CapsLock があった A の横に、Ctrl キーが置かれている。本来 Ctrl キーがいた左下の位置には Fn キー*1が置かれ、その CapsLock は Fn+Tab で呼び出せるようになっている。

この「A の横に Ctrl が置かれている」配列を「A横Ctrl(エーよこコントロール)」と呼ぶことにしよう。

 

この配列は HHKB オリジナルのものではなく、実はもっと昔のキーボードに着想を得たものだ*2。ただし、現在 Windows 用に売られているほとんどのキーボードは、この配列を採用していない。そういうわけだから「A横Ctrl は HHKB 特有の変態配列」と呼ばれるのも無理はない。

 

今回の記事は、この A横Ctrl を推しに推して推しまくる記事である。

 

A横Ctrl は断じて「変態」ではない。全人類が活用すべき大きな発明だ。

 

 

CapsLock とサヨナラ!

 

A横Ctrl のよい点一つ目、それは「CapsLock がなくなること」である。

CapsLock は「キーボードで使わないキー堂々の一位」とか「間違って CapsLock を押したときしか使わない」とか散々な評判を受け、邪魔者扱いされて久しい。読者の中でも、間違えて CapsLock を押したばかりに入力がおかしくなった、という経験をお持ちの方が多いだろう。

 

そもそもなぜ CapsLock は A の左横に導入されているのか?

 

A 左横の CapsLock キーは、もともとタイプライターに端を発する。

当時のタイプライターには、押している間は大文字入力、離すと小文字入力になるというキーが存在した。いまでいう Shift の役割を持つキーである。タイプライターのキーはいまよりずっと重かった。だから、何文字にもわたって大文字を入力するとき、小指でずっと Shift を押しっぱなしにするのは苦痛だ。これを解消するために、その上(つまり A の左横)に Shift をずっと押しっぱなしにできる機構が追加された。これが CapsLock のおこりである。

画像は19世紀前半に発売されていたという Remington(レミントン)社製のキーボードである。キーボード最下段の左右には SHIFT KEY が存在している。そして左側 SHIFT KEY の直上には SHIFT LOCK というキーがある。これがいわゆる CapsLock である。

タイプライター(出典:http://mayomayo.cocolog-nifty.com/mirage/2012/07/remington-326b.html

 

現在使われているキーボードのキー配列は、タイプライターをもとにしている。タイプライターに導入されていた CapsLock も残り続けた。いまのキーボードのほとんどにある CapsLock は、タイプライター時代の遺産であるといえる。

 

ところが時代は変わった。いまのキーボードのキーは、昔のタイプライターとは比べ物にならないほど軽い。だから Shift を押しながらアルファベットを入力しても、手への負担はそこまで大きくない。そもそも常に大文字の文章を打つ機会はあんまり存在しない。

 

日本語入力をする日本人ならなおさらこのキーの必要性は薄い。

日本語入力における CapsLock は「英数」というキーになっている。かな入力をしているときに、ワンタッチで英数入力に切り替えることができる。これをわざわざこんな押し間違えやすいところにこれを置いておく必要がない。 Windows には「半角 / 全角」キーというものがあって、これで英数字の入力とかな入力を入れ替えることができる。Mac キーボードはスペースキーの両隣にある「英数」「かな」キーで、これらを操作することができる。

 

ここまででわかるように、A 左横に CapsLock という配置はいわば「時代遅れの伝統」である。現代における CapsLock の必要性はますます薄くなっているのに、これが A の左横などという特等席を取っていたことがよく考えたらおかしい。A横Ctrl は、CapsLock にこの特等席を退かせたというだけでも称賛に値する。

 

A横Ctrl は押しやすい

 

では、 A横Ctrl は「CapsLock がないから偉い」だけなのか?もちろん、そんなことはない。ここに Ctrl があるのもちゃんとしたメリットがある。それは「ショートカットキーが格段に押しやすくなる」というものである。

論より証拠ということで、試しによく使うコマンドである Ctrl+S (ファイルの保存)を試してほしい。まず通常の入力。

見えにくいが、手首が内側に寄っている

 

続いて HHKB における入力。

手首は外側を向いている

シルバニアファミリーなら通常のほうが打ちやすいだろうが、標準的な人間の肩幅を持っていれば HHKB のほうが打ちやすい。手首がより自然な方向に向くからだ。腕にかかる負担が違うので、手元のキーボードでぜひ試してほしい。

これは他のショートカットキーでも同様である。有名なもので言えば Ctrl+C (コピー)、Ctrl+V(ペースト)だろうか。左下との同時押しよりも、 A の左側との同時押しにすれば、無理に手を傾ける必要がなくて済む。

 

A横Ctrl は誤タッチにやさしい

 

さらに Ctrl に変えたことによりもうひとつのメリットが生まれた。それは「誤タッチにやさしい」という点である。

通常ここに配置されている CapsLock というキーは誤タッチに厳しい。ワンタッチで入力方式を大きく変えてしまうからである。タッチをするだけで大文字小文字が入れ替わったり、かな入力から英数入力に入れ替わったりしてしまう。そしてそれを戻すためにはもう一度 CapsLock を押さなければいけない。「CapsLock を使うときは、間違って CapsLock を押したとき」と言われるゆえんである。

しかし Ctrl は誤タッチにやさしい。というか Ctrl に関しては押すだけなら何の影響もない。このキーは他のキーと「同時押し」をすることではじめて効果を発揮するからである。だからミスタッチをしても何もとがめられることはない。誤って押してしまったばっかりに何かが変わる、ということは起こらない。

 

押しやすい位置のキーには、よく使うキーを。押し間違えやすい位置のキーには、押し間違えてもいいキーを。 A横Ctrl は、PC を使うすべての人が活用すべき大発明だ。

 

A横Ctrl を手に入れろ

「A横Ctrl」を簡単に手に入れる方法その1

HHKB を買う

 

お値段 36,850 円

 

 

まあ、やりすぎ。

 

「A横Ctrl」を簡単に手に入れる方法その2

 

キーマップを変更する。つまり、 CapsLock の入力を Ctrl に変換してしまえばいい。

幸い Windows / Mac には、キーマップを変更する無料ソフトが存在する。これを使えば、キーボードを新調しなくても A横Ctrl の恩恵にあずかることができる。

 

Windows 用のソフトについてはこちらを参照。

 

---2022/7/26 最新版---

こちらの Microsoft 公式ツール Powertoys で設定ができる。

docs.microsoft.com 

 

Windows拡張機能が多数入ったソフト。この中の Keyboard Manager において、キーマップの変更が可能。CapsLock を Ctrl にすることで A横Ctrl を実現できる。CapsLock はもともと Ctrl があった位置に移してしまえば問題ない。ここなら誤入力の可能性は少ない。ふだんの入力で CapsLock を使う機会がないなら、いっそ設定しなくてもいい。

使用方法についてはこちらの記事も参照。

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Mac の場合はこちら。

 

knowledge.sakura.ad.jp

 

もっとも、 Mac 日本語配列の場合ははじめから横のボタンが Ctrl になっている。ただ Windows での Ctrl にあたるものは Mac では Command で、その Command はキーボードの下側にある。シルバニアファミリーでない限りはこの2つの位置は入れ替えてしまったほうがいいだろう。

まあ Mac キーボードを長く使ったことがないのでよく知らないんですけど。

 

 

ということで A横Ctrl のご紹介。

今日から CapsLock を Ctrl に。日々のストレス、消していきましょう。

よきキーボードライフを。

*1:ファンクションキーなどを押すときに使うキー。HHKB には独立したファンクションキーがなく、最上段のキー+Fn の同時押しに割り当てられている。

*2:詳細はこちらを参照。同記事で紹介されているこちらのフォローアップ記事も参照されたし。