【シャーペン】シャーペンを買い換えた話

シャーペンを買い換えた。

 

右が新シャーペン。

 

 

新しく買ったのは PILOT のシャーペン「S20」で、お値段1本2000円。一般的にシャーペンというのはメーカーものでも1本300円程度、なんなら百均で手に入ることを考えると、まあ高級シャーペンと呼んでさしつかえないと思う。

 

公式HPから。

 

というわけで、高級シャーペンを使ってみた感想とか、そもそも高級シャーペンっているんか?とか、そういう話をします。

 

SMASH はいいシャーペン

 

ぼくがいままで使っていたのは、ぺんてるから出ている「SMASH」というシャーペン。

公式HPから。かっこいいね

 

まずこの SMASH という製品が非常にすごいという話をさせてほしい。

一言で言うとこのシャープペンシルは「安定感」がある。言い方を変えれば、書いていてブレない。この安定感を生み出すのが、グリップ部分に備わった2つの特徴である。

 

口金と一体化したグリップ

 

ペン先と一体化したグリップ

まずひとつめに、口金とグリップが一体化しているという特徴がある。これにより口金がゆるまない、と公式で書かれている。これがめちゃめちゃ偉い。

部品が緩いとか取りつけが悪いとかで、ペンがカタカタとゆれることがある。いわゆる筆記中の「ブレ」である。このブレがめちゃめちゃストレスになる。おそらく僕だけじゃなくていろんな人が、この筆記具が生むブレにストレスを感じている。だからだろうか、筆記時にブレないということをアピールポイントとした「ブレン」というボールペンまで売り出されている。

そしてシャープペンをたくさん使う以上どうしても口金は緩む。もちろん締め直せばいいんだけど、カタカタとしだしたときの筆記はストレスだし、締め直すその一瞬もストレス。

ところがSMASHは口金とグリップが一体化しているので、もう口金のゆるみや、それによるブレで悩まされることはない。このストレスから解放されるのは大きい。

 

ラバー付き金属グリップ

 

ラバー付き金属グリップ

ふたつめの特徴は、ラバー付き金属グリップ。金属グリップに穴をあけ、そこからラバーが飛び出させた形状である。

ラバーグリップは握りやすく滑りにくいという長所がある。ところが同時にラバーグリップは変形する。この変形は衝撃の吸収に役に立ついっぽうで、若干のゆれ、不安定さ、つまりは「ブレ」を生じる。

そこでSMASHに搭載されたのがラバー付き金属グリップ。金属は強く握ってもへこむことがなく、安定感がある。この金属からラバーを飛び出させることによって、剛性を失うことなく、ラバーのメリットである握りやすさ・滑りにくさを備えている。

 

シャーペンにブレが全く起こらないのは想像以上に快適だ。なぜならこちらの筆記を全く邪魔することがないからだ。この体験を一度してしまうともう安いシャーペンには戻れない。

 

S20 の良いところ

 

前置きが長くなったが、新しく買ったS20を使ってみた感想。

 

「木」の良さ

 

S20 は全面に木材が使われているデザイン。まあ、正確には木に樹脂をしみこませて強度を上げたもので、純粋な木軸、というわけではない。それでもやはり、木の風合いはいい。

まずはその見た目。僕が買ったのはディープレッドで、いかにも大人な気品のある赤色という感じ。見た目のいいものは持っていて気持ちがいい。

 

公式HPより。実物はより深く冴えた色。

 

しかも持ったときの感触も良い。プラスチックとも金属とも違う、硬質ながらわずかにふわっとした感覚。いわゆる「木のあたたかみ」というものを感じる。

 

安定感は抜群

 

高いだけあって筆記時の安定感もいい。実は、木のガワに包まれた内部には金属パーツが多く使用されている。そして金属は重たい。だから、見た目よりもかなりがっちりとしたつくりになっている。

木軸が意外と滑りづらいのも、安定感に一役買っている。樹脂や金属の軸は手汗をかく人にとってはつるつると滑る軸で扱いにくいのだが、木軸は適度に皮膚にひっかかる感覚があり、滑りにくくなっている。これもまた安定感を増している。

 

そんなわけで大変よいシャーペンではあるのだが、S20には欠けているものがある。それは機動力だ。

 

シャーペンの機動力

 

S20 の重さと長さを、SMASH のそれと比較してみる。

 

S20:全長 146mm、重量 18g

SMASH:全長 139mm、重量 10g

 

ここで見る通り、S20のほうがSMASHより重くて長い。長さに関しては1cm弱と小さな差かもしれないが、重さの差は圧倒的だ。そして重たく長いS20は残念ながら軽く短いSMASHに機動力は劣る。一般的に、重いモノより軽いモノのほうが動かしやすく止めやすい。長いモノより短いモノのほうが取り回しがいい。ペンを早く動かすという観点では「高級シャーペン」は SMASH には勝てない。

 

もちろん S20 はとてもよいシャーペンで、木の風合いやしっかりした重みは高級感がある。それでも、今まで使っていた SMASH のほうが機動力で勝ることは間違いない。安定性と機動力が高次元で統合されているのが SMASH というシャーペンで、S20 は機動力と引き換えに高級感や書き味のよさを加えた、という感じ。

 

結論

 

世の中にはさまざまなギミックを搭載したシャーペンがある。線が太くならないように「芯が回転する」機能を備えたクルトガ。芯が折れないように力を加えると「芯が引っ込む」デルガード。あるいは、パイプで芯を保護するオレンズ、さらにそこに「ノックしなくても芯が出る」という機能を搭載したオレンズネロ

で、そうではない「ノンギミック」なシャーペンはもう SMASH で完成されていると強く感じた。上位のものを買ってはじめて、改めて SMASHコスパに驚かされたなあという話。おそらくもっと安いシャーペンにも、「この値段でこの完成度!?」と驚かされるものがあるのかもしれない。

 

とはいえやっぱり S20 には S20 の良さがある。木の質感や色味は持ってて楽しいので、特に急がない場面では S20 を使っていく予定。

 

「新しいシャーペンが欲しい」という人は1000円出して SMASH を買えばOK。無難にブラックを買っておきましょう。替芯は同じメーカーから出ている Pentel Ain がおすすめ。