【雑記】日常で役に立つ数学

 ミカグラです。

 

 今日は、日常で役に立つ数学・物理のメソッドを記事にしました。2つのことがらについて、お役立ち情報をまとめたので、ぜひ読んでみてください。また、「なんで?」と思った読者のために、理論的な説明も載せています。興味のある方はどうぞ。

 

 

 

音ゲーの許容グレ計算

 理論値 x音楽ゲームで、 nノーツの曲でy点を取りたいとする。この時、最高判定に対して割合pの得点がもらえる判定をいくつまで出してよいかという許容kは、

k = dfrac{x-y}{x(1-p)} imes n

で表される。

 

例1: オンゲキの赤BREAK許容

 オンゲキの理論値は101万点で、そのうちベルが6万点を占めているので、ノーツに割り振られた得点は95万点。また、赤BREAKはCRITICAL BREAKの9割の得点がもらえるから、p = 0.9になる。

 ノーツ数をnとすると、SSS(100万点)の許容 k_1は、ベルをすべて取った場合、ノーツだけで94万点を取ればよいので、その許容は

egin{align*} k_1 &= dfrac{950000-940000}{950000 imes (1-0.9)} n &= rac{2}{19} n isingdotseq 0.105 n end{align*}

 また、SSS+(1007500点)の許容k_2は、同じように

egin{align*} k_2 &= dfrac{950000-947500}{950000 imes (1-0.9)} n &= rac{1}{38} n isingdotseq 0.00263 n end{align*}

 とくに、 k_2 = n / 38 である。すなわち、SSS+の許容BREAK数を出すには、ノーツ数を38で割ればよい。

 

例2: SDVXの許容ニア

 SOUND VOLTEXの理論値は1000万点。NEAR判定はCRITICAL判定の5割の得点がもらえるから、p = 0.5である。

 ノーツ数をnとすると、AAA(970万点)の許容 k_1は、

egin{align*} k_1 &= dfrac{10000000-9700000}{10000000 imes (1-0.5)} n &= 0.06 n end{align*}

 S(990万点)の許容 k_2は、

egin{align*} k_2 &= dfrac{10000000-9900000}{10000000 imes (1-0.5)} n &= 0.02 n end{align*}

 すなわち、 k_1 n 6 %k_2n2 %である。

 

なんで?

 ここからは文字を使って考えていきましょう。いろいろな場合を考えた時、あとからどんな値がきてもいいように文字であらわすことは、非常に便利な方法です。文字を使った四則演算(足す、引く、掛ける、割る)ができるようになれば、こうした問題にも対応できるようになります。

 総得点をx, 目標得点yをとします。このとき、目標からの許容、すなわち「落とせる得点」はx-yであらわされます。

 譜面の総ノーツ数をnとすると、1つのノートあたりには rac{x}{n}点が割り振られていることになります。

 最高判定から割合pの点数がもらえる判定では、言い換えれば割合(1-p)だけ損していることになります. ということは、[dfrac{(1-p)x}{n}]点を失っていることになります。

 あとは、落とせる得点を、1ノーツ当たりで失う得点で割れば、目標点数のために出してもよい許容kがわかって、その値は

egin{align*} k &= dfrac{x-y}{(1-p)x/n} &= dfrac{x-y}{x(1-p)} n end{align*}

 ということになります。

 

※Cytus, Deemo, Lanotaでは使えないので注意*1

 

6等分する

ここでは、キャベツとピザの2つについて、6等分する方法を紹介します。

 

ピザの6等分

  1. まずピザの直径で切る。この両端をA, Bとする。
  2. 切った直径を4等分して、小さく印をつける。
  3. さっきつけた3つの印のうち、真ん中を除いた2つから直径と垂直に直線を伸ばして、ピザの耳に小さく印をつける(ピザカッターで少し傷をつけるだけでOK)。この印を時計回りにC, D, E, Fとする。
  4. 直線CE, DFで切る。これで6等分。

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実戦が実際に切る部分。点線は補助線。



 

キャベツ1/6玉を切り出す

  1. キャベツ1玉を2等分する。
  2. 切り口を下にしてまな板に載せて、4等分した内の1/4にそっと包丁の刃を置く。
  3. そのまま芯の中心に刃を向けて切る。これで1/6玉。

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実線で包丁を入れる。


 

なんで?

 まず、図の中にある直角三角形を考えます。直角三角形で斜めになっている辺を斜辺、底にある辺を底辺と呼びます。このとき、この図における斜辺と底辺の長さの比は 2:1になっています。 AO = COであり、さらにそれを半分にしたのが赤い直角三角形の底辺ですから、斜辺 COと底辺の長さの比が 2:1になることがわかります。

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この部分の直角三角形に注目。

 実は、斜辺と底辺の比が 2:1の直角三角形は、すべてその間の角度が 60^circになるのです。

 

 証明はこのようになります。

 直角三角形を裏返して、縦になっている辺にくっつけます。すると、新しく三角形が出来上がります。

 できあがった三角形の底辺は、もとの直角三角形の底辺の2倍の長さをもちます。もともとあった斜辺との長さの比は1:1になります。すると、この三角形は正三角形になります。

 正三角形のすべての角度は等しく 60^circですから、もとの直角三角形の角度も 60^circということになります。一周は 360^circですから、 60^circずつできれば円を6等分できます。

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こんな感じ。

 

 ということで、数学の知識を使うことで、普段の生活がちょっとよくなる2例を取り上げました。質問などあればhungry_and_foolまで。

 読んでいただきありがとうございました。

*1:CytusのTPはコンボが関係しないので、この方法が使えます。