【後編】人はなぜトラックパッドを使うのか

キーボードとの相性がとてもよいから。

 

当たり前ですが、色味の相性を書きたいわけじゃないですよ

この記事は二部構成の後編です。前編はこちら

 

3qua9la-notebook.hatenablog.com

 

【前編】では Perixx のトラックパッドのレビューというか、太鼓持ちというかのような記事を書いた。今回はその後編にあたる記事。「そもそもどうしてトラックパッドを買うのか、マウスじゃダメなのか、どんな人はトラックパッドを検討すべきなのか、などなど」を書いていきたい。

 

キーボードとポインティングデバイス

トラックパッドとかマウスとかの話をする前に、まずキーボードの話をさせてほしい。

文字打ちをメインに据える人間にとって、キーボードは生命線。パソコン操作のほとんど、すくなくとも半分以上は、キーボードの上で手を踊らせている時間である*1。おれも例によって、キーボードにこだわる人間である。

ところが現代のパソコンはキーボードのみで操作するにあらず。いや、キーボードだけで操作できる OS やソフトもあるにはあるが、大多数のソフトはカーソルとの併用が前提になっている。そこでポインティングデバイスというカーソル操作のためのデバイスが必要になってくる。

ポインティングデバイスのなかでも最も有名で広く普及しているのがマウスであることは言うまでもないだろう。家電量販店にいけば、おびただしい量のマウスが販売されている。

 

なぜトラックパッドを選ぶのか

ではどうしてマウスからトラックポイントに乗り換えたのか?それは、マウスを用いることに問題があるからである。ポインティングデバイスだけではパソコンの操作はできない。キーボードとの併用という観点に立つと、マウスにもいくつかのデメリットが思いつく。

 

当たり前だけど、マウスを動かすためには、まずマウスを握らなければいけない。しかしマウスは立体物である。高さがある。だから、キーボードとマウスの併用では「握り替え」という手間が生じる。この握り替えは、マウスとキーボードの往復が多ければ多いほど煩わしくなる。

さらに移動距離の問題ものしかかる。大きなマウスパッドでマウスを操作する場合には、場合によってはキーボードから遠い位置にマウスが置かれることもある。すると、マウスとキーボードとの手の移動距離が大きくなる。おれは手の移動距離を減らすために小さいキーボードを使っているが、マウスが遠くにあったらせっかくの小ささも無駄になってしまう。

大判なマウスパッドを使うと特にね。
(画像は gaming.logicool.co.jp より)

ここで、トラックパッドの登場である。これを使えば、今まで指摘した問題を一挙に解決できる。

まずトラックパッドを操作するために握り替えの必要がなくなる。たしかに手をトラックパッドへ持っていく操作はいるが、ただ手を横にスライドさせればよく、わざわざ浮かせて握って、という動作はいらない。

さらに、トラックパッドは動かない。だから、マウスの近くにトラックパッドを置いておけば、キーボードとの距離はずっと変わることがなく、最小限のまま。わざわざ遠くのマウスを取りに行って……ということはなくなる。

ほかにも、動かす余白を確保しなくていいので省スペースになる、とか、良いマウスのために(そして良いマウスパッドのためにも)お金をかけなくて済む、とかのメリットもある。

 

マウスパッド代もバカになりません泣

 

トラックボールは?

ところで、キーボードとの食い合わせ、手の移動を考えるなら最近はやりのトラックボールじゃダメなんですかね?という意見もある。

ところがトラックボールだと距離の問題が解決できても握り替えの問題は解決できない。最近のトラックボールには多くのボタンが備えられているが、その恩恵を最大限受けるためにはしっかり握らないといけない。

というかそもそもトラックボールの操作性があまり好きではなかった。平面上のカーソルを動かすんなら球体をコロコロせずに同じ平面の板をなぞったほうが筋がいいのではありませんか?

 

でもマウスって素晴らしい

ここまでトラックパッドのすばらしさについて延々と語ってきた。ただ、全員が全員にトラックボールがおすすめ!というわけでもない。

前提として、クリックやドラッグを最も精密にそして素早くできるのはマウスである。腕で動かして大きく移動させ、指先で微調整もできるポインティングデバイスの速さと正確さにはかないやしない。だから、トラックパッドへの乗り換えが必ずしも最適解、とはなりえない。

その最たる例が FPS だと思う。時に大きく、時に細かく目線を操作するために、プロゲーマーは一流のマウスを買い求める。世のインフルエンサーが「慣れればマウスよりトラックボールのほうが操作性が良い」というのは嘘だと思う。もしそうなら、いまごろ FPS の大会には全員トラックボールを持ち込んでいるはずだ。

 

トラックパッドの向き不向き

そんなわけで、トラックパッドを導入するべきかどうかは、その人がパソコンで何をするかに依る。

FPS のようなゲームでなくとも、 GUI をポチポチして操作するような仕事、たとえば動画編集だったり音楽やゲームを作ったり、という仕事は、素直にマウスを使ったほうがいいかもしれない。マウスを握る時間が多ければ、キーボードとの併用で生じるデメリットは相対的に弱くなる。むしろ、マウスによる直感的で素早い操作で、メリットをたくさん享受できる側の仕事だと思う。

逆に、執筆やコーディングが生業で比較的ポインティングデバイスへの依存度が低い人にはトラックパッドへの乗り換えをおすすめしたい。移動距離が少なくて右手の負担を減らせて、それでいて操作性をあまり損なわない。

 

買うべきトラックパッド

Mac PC には純正の Magic Trackpad が販売されている。

www.apple.com

それ以外の OS を使っている場合、たとえば Windows 機なら、前編でもレビューした Perixx PERIPAD-506 をおすすめしたい。質実剛健という言葉の似合う、基本に忠実な製品だと思う。

 

*1:厳密にはちょっとちがって、パソコンに向かっている時間の半分以上は、操作をろくにせずパソコンの前でぼーっと考えている時間である。