Logicool のゲーミングマウス・ G304 を数か月使ってみた。
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かなり満足に使えていたのだが、じわりと感じてしまった問題点。
重い。
いや、 99g といえばマウスのなかではそこまで重くない部類ではある。乾電池込みの重さと考えれば、むしろ軽いほうですらある。しかしどうしても、マウスを動かすときに右手が感じる「重いな……」という感触を、無視することはできなかった。
ということで、より軽いマウスを選ぶべく、買い替えをすることに。
条件
マウスの買い替えにあたって重視した条件は以下の通り。
ゲーミングマウスであること
ゲーミングマウスがいい。いや、「デザインがかっこいいから」とか「あのプロゲーマーが使っているから」とか、そういう理由ではない。
センサーの精度が良いからだ。
センサーの精度とはいっても、では HERO 25K と PAW 3395 のどっちが優れているかとかそういう問題ではない。そもそもゲームをほとんどしないし腕前が腕前なのでそこらへんのスペック値とにらめっこする理由がほとんどない。いちばんの理由は「レーザー式センサーを使っていること」である。
マウスは、接地面に光をあてて、その跳ね返りを読み取ることで手の動きをポインタに反映される。だいたいの安価なマウスはこの光に赤や青の光を用いる。これは光学式センサーと呼ばれる。しかし、ゲーミングマウスのほとんどは目に見えないレーザーを発している。これがレーザー式と呼ばれるものだ。
レーザー式マウスは光学式マウスより精度がいい。寸分の狂いも許されないゲームで用いるマウスなので当然といえば当然なのだが、これが普段の作業におけるストレスも消してくれる。「あれ、思った通りに動いてくれない」というストレスが全くない。
一度慣れてしまうと、このストレスフリーな体験からは逃れられないものである。
重量は 75g 未満
劇的な違いを感じたいので、 75g 未満だとうれしい。そんな高望みはしなくとも、せっかく買い替えるのだから G304 の 99g よりは軽くあってくれないと話にならない。
無線
マウスを持ち歩いて使うので、無線がいい。家ならともかく、外に出て使うときに机に線があると邪魔なんですよね。
左右対称形
僕はマウスを持つとき「握る」ような持ち方をしない。サイドと左右メインボタンに指を添えて、指先で滑らせるように動かす。「つかみ持ち」と「つまみ持ち」の中間くらいといえばいいだろうか。
で、こういう持ち方をする人にとってはいわゆるエルゴマウスが合わない。右手でマウスを握りやすいように、変形したマウスのことだ。これはマウスを「握る」人にとっては良い形だが、マウスを「つまむ」人にとっては持ちにくい。
6ボタン以上
通常、コピーした文や写真をペーストするときには、 Ctrl+V というショートカットを用いる。ただ、別のブログやインターネットの文書からテキストをコピーすると、テキストそのもののほかに書体とか文字の大きさとかが一緒にくっついてくる。これらを落としてテキストのみを持ってきたい場合には、 Ctrl+Shift+V を用いる。僕はこれを「プレーンペースト」と呼んでいる。
で、このプレーンペーストはキーボードだと押しにくいので、マウスにショートカットを用意したい。とはいえプレーンペーストでは画像のペーストができないので、普通のペーストもマウスにショートカットとしておいておきたい。必然的にマウスボタンは6個以上がいる。
G304 にはGシフトという機能があった。詳細はブログの頭に貼り付けた記事で読んでほしい。簡単に言うと、「押している間は別レイヤの割り当てを呼び出せるボタン」を設定できた。僕はこれをマウス中央ボタンに設定して、「コピー/ペースト」と「切り取り/プレーンペースト」という二つのレイヤを使い分けていた。
最新の高性能ゲーミングマウスは、FPS に合わせて設計されているためボタン数は5個が定番である。ゲーミングマウスを日常の作業に使う僕にとってはそれでは足りない。
値段は1万円以下
最近のゲーミングマウスは高すぎる!(小池栄子)
センサーの性能は低くてもいいから、予算はできるだけ抑えたい。もちろん安ければ安いほうがいい。
ゲーミング、軽量、無線、左右対称、6ボタン以上、1万円以下、とかなり条件が多くなってしまった。これらの条件を満たしているマウスは次の3つ。
- HyperX Pulsefire HASTE (61g)
- Glorious Model O Wireless (69g)
- Steelseries Aerox 3 Wireless (68g)
サイドのくびれの強さは HASTE < Model O < Aerox 3 という印象。Model O は標準的な形で、 HASTE はもっと直線的で寸胴。Aerox 3 はくびれが強く、ケツがデカい。多くの人にとって持ちやすいのは Model O かも。
いろいろ検討した結果、 HASTE を購入。持ちやすさも自分にとっては問題なかったし、なによりセールで 7,000 円と安かったからである。
実際に使ってみた
軽い
いや、めちゃめちゃ軽い。99g が 61g になったわけだから当然といえば当然である。
これだけ軽いと、指先で動かすにもまったく厳しさがない。 G304 は指に力を入れてマウスを動かす、という感覚だったが、 HASTE は「指を動かすとマウスがついてくる」という感覚になる。動かす感覚ももちろん気持ちがいいし、長時間使っていてもこちらのほうが疲れない。
ゲーミングマウスは軽さが正義とよく言う。しかし、ゲームに使わず作業に使うからこそ、軽さは正義である。軽量であることはどんな機能にも勝るんですわ。
滑りがいい
G304 に比べてめっちゃよく滑る。思いつく限りでは2つの理由がある。
まずは HASTE のほうが G304 に比べてマウス重量が軽い。一般的に、同じ面であればモノの質量が大きくなればなるほど摩擦力は大きくなるので、軽いマウスははたらく摩擦力も小さいということである。
それと、マウスソール*1の質もいい。どちらかというと HASTE のマウスソールが良いというよりかは G304 のマウスソールがそんなに良くないらしい。これは他のレビューを見て分かった部分である。まあ G304 は4,000円しかしなかった*2から当然といえば当然か。
サイドの形が違う
前まで使っていた G304 とは、左右対称マウスという共通点がありながら、形はそれなりに違う。その中でも、つかみ持ちにとってユーザーにとってとくに持ち心地に直結するのがサイドの形状である。
G304 は、サイドが下に向けて狭まったような形をしている。いわゆる逆ハの字とよばれる形である。これのおかげで指がうまく引っ掛かって、重量のわりにマウスを持ち上げやすい。
対して、 HASTE にはそうした傾きがあまりなく、直線的である。ただしマウスが軽いので、持ち上げにくいことは全くない。
さらに、サイドには付属のグリップテープを貼り付けることもできる。持ちづらいと感じた場合にはこれを貼り付ければよい。
ドングルが取り外しにくい
無線マウスの HASTE には、無線通信用の USB ドングルが付属している。無線マウスにはこのドングルを収納できる機構があることが多く、 HASTE にも裏側にドングルを収納する穴がついている。
で、このドングル収納がなかなか曲者である。なにしろ、かなり奥まった位置にドングルが収まる。さらにドングルをホールドする機構がまあめちゃくちゃに力が強い。そんなわけで、奥まで押し込んでしまうと指で取り出すのは困難を極める。G304 ではこんなことはなかったのに……。
一応対策はあって、浅めに差し込んでおくと取り出しやすい。持ち歩くときにマウスから落ちてしまう心配があるが、マウスを収納するケースを買っておけば問題ない。100均で売っているカメラケースがジャストフィット。
Gシフトは便利だった
やっぱりGシフトは便利だった。
HASTE にはマウスボタンが6個あるが、Gシフトのような機能がなかったため、「切り取り」のショートカットを諦めることにした。これがよくない。コピーではなく切り取りをしたいときに、マウスでコピー→キーボードで Delete、という二段階を踏まなければいけないのはちょっとだるい。なによりマウスだけで行動が完結しないのが面倒。
Gシフトは偉大な機能で、これのおかげで実質ボタン数が2倍になる。 Logicool マウスを選ぶ理由であり、とくに G304 を選ぶ理由。
ちなみに同様の機能として、 Razer の Hypershift 、ROCCAT の Easy-Shift というものがある。とくに Logicool と Razer のマウスは種類が豊富なので、この手の機能が使いたければこの2ブランドから選べば間違いはない。できれば6ボタン以上のものがいい。
HASTE のボタン機能変更は専用のアプリ「HyperX NGENUITY」でできるので、もしかしたらアップデートでGシフトみたいな機能がつくかもしれない。ぜひとも更新してほしいところ。
大体そんな感じ。
利点も欠点もいろいろ書き散らしたけど、やはり軽いマウスは素晴らしい。作業をするときの疲れがなくていい。
みんなも軽いマウスを買って気持ちよくなろう!