いま日本で一番アツい e-Sports 、VALORANT。
世界大会「VCT Masters」では、日本代表の ZETA DIVISION が世界3位の成績を獲得。これは日本 e-Sports 史に残る大記録。
5月に行われたファン感謝祭「RAGE VALORANT 2022 Spring」には、会場を埋め尽くすほどのファンが大集結。
最大級の盛り上がりを見せる VALORANT。
今回の記事では、 VALORANT を知らない人でも VALORANT を楽しめるように、基礎的な知識を解説。「これだけ知っておけばいい超基本」と「VALORANTがもっと楽しくなる知識」の2部構成で書いてまいります。
これだけおさえろ! VALORANT 基本の基本
基本ルール
ラウンドの取得と勝利条件
アタッカー(攻撃側)とディフェンダー(防御側)に分かれて戦う。各マップにはサイトと呼ばれる場所があり、この場所を巡って戦う。スプラトゥーンのガチエリアみたいな認識でいいと思う。
アタッカー
アタッカーの目標は「サイトにスパイク(爆弾のこと)を仕掛け、爆発させる」。
一つ目の勝利条件は、敵を全滅させること。そうすればあとは悠々と爆弾を設置できる。
二つ目の勝利条件は、爆弾の爆破。爆弾が設置できた場合には、解除されないように守り抜く。45秒で爆発する。敵が全滅しなくても、爆弾が起動すれば目標達成。
まとめるとこう:
- 敵を全滅させる
- 爆弾を設置して、45秒守り抜いて爆発させる
ディフェンダーの基本思想は「スパイクがサイトで爆発するのを防ぐ」。
一つ目の勝利条件は、爆弾が設置される前に敵を全滅させること。こうすれば爆発しなくて済む。
二つ目の勝利条件は、設置された爆弾を解除すること。爆弾が設置されたら、40秒の間に解除をしなければいけない。敵を全員キルしなくても、爆弾の解除ができれば勝ち。逆に、設置後に敵を全員キルしても、爆弾が爆発してしまえば負けだ。
三つ目の勝利条件は、制限時間100秒の間に爆弾を置かせないこと。ラウンドごとの制限時間は100秒で、この間に爆弾が設置されておらず、かつ両陣営が生き残っていれば時間切れによりディフェンダーの勝利になる。
まとめるとこう:
- 爆弾設置前に敵を全滅させる
- 設置された爆弾を解除する
- 爆弾が設置されないまま制限時間100秒が経過する
先に13ラウンドを取ったほうの勝ち。12ラウンドが経過したら攻守交替。
また、12-12になった場合には「オーバータイム」となり、2ラウンド差がつくまでゲームは続行になる。攻守は1ラウンドごとに入れ替わる。いわゆる卓球のデュースに近い。
この動画も参照。
マネーの概念
VALORANTにはマネーシステムが採用されている。単位は c (クレジット)。武器やシールド、アビリティは、すべてクレジットを使って買わなければいけない。戦績によってクレジットがもらえる量が変わる。基本的に、ラウンドを勝つと次のラウンドではクレジットがたくさんもらえ、負けると少ししかもらえない。
はじめのラウンドでは全員が 800c がもらえる。この金額ではピストルくらいしか満足に買えず、ピストルでの勝負を強いられる。これをピストルラウンドと呼ぶ。ここを勝つと次のラウンドで大きくクレジットの差をつけられるため、有利になる。
負けが続くと、十分なお金がなく、強い武器が買えなくなることがある。このようなラウンドではあえて節約し、次のラウンドに備えるという戦術をとる。これをエコラウンド、あるいは単にエコという。エコラウンドでは、ラウンドを取るよりも「いかに相手を一人でも多くキルするか」を目指しがち。
よく見るアビリティ
VALORANT には、戦闘を有利にするための多種多様なアビリティが存在する。その中でもよく見るアビリティを絞ってご紹介。
スモーク
球状の煙でマップを隠すアビリティ。アタッカーならサイトにつながる通路を隠して相手がこちらを視認できないようにする、ディフェンダーならサイトの入り口を隠して敵が進行しにくくする、といった使い方がある。
スモークを持つのは、ブリムストーン、オーメン、ヴァイパー、アストラの4名。ジェットやサイファーにもスモークに似たアビリティがある。
投げモノ
グレネードや火炎瓶など、投げて相手にダメージを与えられるアイテム。物を投げることで地面に効果範囲が広がり、範囲内の敵はダメージを受ける。サイトの入り口に投げて進行を妨害したり、見えにくい位置に反射させて投げ、隠れている敵を無力化したり、といった使い方がある。
レイズ、フェニックス、KAY/O、ブリムストーン、ヴァイパー、キルジョイが、投げモノにあたるアビリティを持っている。
フラッシュ
相手の視界で爆発させて強烈な光を浴びせ、視界を奪う。サイトに入る前に使って待っている敵の視界を奪ったり、進行してくる敵に浴びせて進行を止めたり、といった使い方がある。
フラッシュが使えるのは、ヨル、フェニックス、スカイ、KAY/O、ブリーチ。またフラッシュではないが、フェイド、オーメンは相手の視界を奪うアビリティを持っている。ネオン、ブリーチ、アストラは、相手の視界を歪ませるアビリティを持っている。
ほかにも自動で敵を撃つロボット*1とか、敵に向かってうにゃうにゃ動くキャベツ*2とか、敵を追いかけるルンバみたいなロボット*3とか、実況のおにいさん*4がめちゃデカい声で叫ぶ「スティムビーコン」とか、いろいろなものが出てくる。要するに全部撃ち合いを助ける固有技なんだなと思っておけばよい。
VALORANTがもっとおもしろくなる!エージェントと武器のざっくり知識
超簡単!エージェントまとめ
エージェントは、その特性にあわせて4つのロールに分けられている。今回はロールごとざっくり紹介。エージェントのロールがわかれば、役割がわかって観戦がより楽しくなること間違いなし。
デュエリスト
デュエリストの役割は、前線にガンガン出て敵を見つけ、倒していくこと。撃ち合いの強い選手が担当することが多い。大会の華とも言えるポジション。
ジェット:みんなだいすき白髪美女。瞬時に移動したり高くジャンプしたりと機動力がある。よく見る。
レイズ:パンクな陽キャ。いろんな爆弾を使って戦う。たまにロケランもぶっ放す。よく見る。
レイナ:紫色の闇のおねえさん。倒した敵から力を吸って強くなる。ときどき見る。
ネオン:青髪の体育会系メスガキエージェント。マップを俊足で駆け回り、電気の力で敵と戦う。あんまり見ない。
ヨル:青のスカジャンを身にまとうちょいワル野郎。デコイやテレポートを使うかく乱の名手。たまにしか見ない。
フェニックス:赤のジャケットを着こなす陽キャ。「不死鳥」の名にふさわしく、炎を駆使するエージェント。もう本当に見ない。
キルを積み重ねるデュエリストはまさにクリップ生産工場。Seoldam 選手(当時 Northeption 所属、現在は Crazy Raccoon 所属ストリーマー)の使うジェットは大会で数々の見せ場を作り、日本の VALORANT ファンを沸かせた。
イニシエーター
チームのサポート役。アビリティを使って索敵をしたり、敵にデバフをかけたりして、撃ち合いを有利に進める。
ソーヴァ:金髪・青眼のイケメン。ドローンを操作し矢を放ち、敵の居場所を突き止める。ほぼ全マップで見る。
スカイ:緑の服におさげ髪の森の住人。動物たちを操って索敵を行う。よく見る。
ブリーチ:義肢をつけた強面オヤジ。地面を揺るがして敵の視界をくらまし、キルにつなげる。それなりに見る。
KAY/O:戦闘ロボット。彼のナイフは他のエージェントのアビリティを無効化してしまう。ちょいちょい見る。
フェイド:銀髪・タトゥーの怖いおねえさん。恐怖の力を使って、敵の位置を割り出す。大会参加は今回からで、ピック率は未知数。
イニシエーターの活躍は、銃撃戦にとどまらない。下のクリップは、ZETA DIVISION crow 選手のソーヴァが見せたスーパープレイ。敵にダメージを与える矢「ショックダーツ」で、敵チーム・DRX のスパイク設置を阻止している。
コントローラー
サポート役その2。敵に焦点をあてたイニシエーターに比べて、「有利な場所を取る」ことに重点が置かれている。スモークを使った妨害が主な戦術。
ブリムストーン:軍服を身に着けて戦うベテラン兵士。衛星からスモークを降らせたり、火炎瓶を投げてサイトを制圧する。ちょいちょい見る。
オーメン:正体不明のオバケ。スモークのほかに、瞬間移動も使って不意を衝く。よく見る。
ヴァイパー:身体には緑のラバースーツ、顔にはマスク。彼女の用いる毒は敵を衰弱させ、撃ち合いを有利に進める。一部のマップでは必須級。
アストラ:紫のマフラーと多くのピアスが特徴。彼女がマップに置く「星」は、スモークやブラックホールに変化する。大きなナーフが入ったが、いまでもそれなりに見る。
コントローラーは「場所」を支配するロール。下のクリップでは、ZETA DIVISION SugerZ3ro 選手のアストラが大活躍。ブラックホールを使って、スパイクを設置中の Team Liquid Soulcas 選手を吸い込み、スパイク設置を阻止した。
センチネル
チームの防衛役。自らに任された持ち場を守ることが役割。エリアを封鎖したり監視したりするアビリティが豊富。
キルジョイ:黄色のパーカーと丸眼鏡を身に着ける機械オタク。ロボットを配備して要塞を作り、襲撃に備える。よく見る。
サイファー:コートとハットに身を包む情報屋。カメラやワイヤーで敵を監視し、敵の侵攻をいち早く察知する。最近はあまり見ない。
セージ:黒髪ポニーテールの清純派。前述した壁のほか、味方を回復する能力をもつ。一部のマップでは必須級。
チェンバー:スーツでキメるオシャレ男子。自家製の武器を片手に、自らの技術で防衛に徹する。めちゃめちゃ見る。
プロシーンでは、チェンバーが人気のエージェント。アメリカの Optic Gaming yay 選手のチェンバーは特に強力。撃ち合いで自ら防衛するチェンバーの強みを最大限生かしたクリップがこれだ。
武器
VALORANT でよく見る武器を絞ってご紹介。
ヴァンダル、ファントム
このゲームのメインとなる武器。とても強いので十分な資金があればたいていどっちかを買う。
弾数、連射速度、サイレンサーの有無など、基本的な性能はファントムが上。しかしヴァンダルは距離によらずヘッドショット一発で相手をぶち殺せるという利点がある。このせいかプロはヴァンダルをよく使いがち。
ZETA DIVISON Laz 選手はヴァンダル大好き。ファントムも使ってみるものの、中距離以上ではヘッドショット一発で倒せないファントムに、 Laz 選手はご立腹。
オペレーター
VALORANT最強のスナイパーライフル。頭だけでなく、胴撃ちでも一発でキルがとれる。主に守備側がよく使い、攻めてくる敵を待ち構えてキルを取る。
その代わりこのゲームでは最も高額。だから敵に拾われると最悪。オペレーターなどの強い武器を持っている場合、あえてラウンド勝利を捨てて敵から逃げ、次のラウンドに武器を持ち越すことがある。この戦術はキープと呼ばれる。
国内オペレーターの使い手といえば、 REJECT 所属の Reita 選手。スナイパーライフルで敵をなぎ倒し、ついた異名は「オペReita」。
シェリフ
ピストルの中では最強の武器。ヘッドショットが当たれば一発で相手を葬れる。800cとお求めやすい値段なのでエコラウンドでよく持つ。
ピストルだからと侮るなかれ、持ち手によっては一瞬で敵を殲滅する恐ろしい武器となる。「シェリフキング」の異名を持つ、 ZETA DIVISION Laz 選手のシェリフさばきは必見。
ジャッジ
近接戦では最強のショットガン。値段も1850cとほかの強武器に比べればお手頃なので、ちょっとマネーが足りない……というときに買われやすい。死角で待ち構えて出てきたところにジャッジをぶっ放す戦術は「ジャパニーズ・ジャッジ」としてあまりにも有名。
Crazy Raccoon neth 選手は国内随一のジャッジの使い手。下のクリップではジャッジを使って敵をなぎ倒す。電話の相手は FAV Gaming 所属の Fisker 選手*5。
今後の大会日程
まもなく開幕するVCT Challengers。日本のチャンピオンを決める大会です。予選会である Week1, Week2 Open Qualifier を経て、上位8チームが Playoff に進出。この Playoff で、VALORANT の国内王者が決まり、世界大会にコマを進めます。
VCT Challengers の放送試合はなんと 5/14 から*6!日本の並みいる強豪たちが、世界大会への1枠を争います。
いま日本で一番アツい e-Sports、 VALORANT。
この記事で予習して、日本王者を決める熱い戦いを視聴しよう!
さいごに
PLAY VALORANT