ミカグラです。
今回は、大人気言葉あてゲーム・Wordleについて、勝率を上げるための序盤戦略を書きます。
Wordleがなかなか6回でクリアできない……という方におすすめ!
Wordle基本ルール
お題となっている単語を、6回のチャンスで当てる。
それぞれの解答は、英単語として意味を持つ5文字の単語で行う。Enterキーで確定*1。
それぞれの解答のあとに、入力した単語がどれだけお題の単語に「近かったか」が表示される。
緑点灯: その文字が同じ場所に入る。
黄点灯: その文字は違う場所に入る。
消灯: その文字は単語中にない。
より詳しい遊び方はこちらの記事を参照。
ゲームとしてはヒットアンドブロー*2に近い。相違点としては、
- ヒット、ブローの数だけでなく、どの文字がヒット、ブローしたかまで教えてくれる。
- お題が意味のない数字ではなく、意味のある英単語になっている。
- 同じアルファベットが複数使われることもある。
の3点があげられる。
Wordleは公式サイトから挑戦できる。一日一問で、JST 0:00に更新*3。
また、過去の問題は有志によりまとめられている。こちらも参照。
頻度分析によるWordle攻略
Wordleは6手でお題となる言葉を当てなければいけない。そのためには、1, 2手目でできるだけ多くの情報を得ることが大事である。ではとりあえず5文字の単語を思いつくままに打てばいいかというとそうではなく、初めの単語によって得られる情報量は大きく変わる。
今回は頻度分析のデータを用いて考える。頻度分析とは、英文中に出てくるアルファベットがどれくらいの頻度で出るかを分析したものである。主として暗号解読に使われる技術であるが、Wordleでも使える。
今回は、下のデータに基づいて考える。このデータは英文全体についての解析であるが、5文字の単語についてもだいたい同じようになる、として考える。
上のデータによると、出現率としてはEが圧倒的に多く、次いでTが多い*4。このあとには A, O, N, I, R, S, H と続き、これらは出現頻度が高い文字である。これらを優先的に探っていくのがWordle攻略の近道だと考えられる。
さらに、お題が「意味のある英単語」であることを考えると、5文字の単語であればほぼ間違いなく1文字は母音(A, E, I, O, U)が入っている*5。そのため、母音の情報を優先的にとっていくことも重要となる。
ということで、
- 母音(とくにE)を優先的に探る。
- 子音は、主要な T, N, R, S, H を優先して探る。
この2つが主要な攻略法となる。
おすすめの序盤戦略
この攻略法は、通常のWordle*6を「6手以内に確実に」攻略するための序盤戦略を考える。
STAREルート
現環境最強単語のSTAREからはじめて、高頻度の文字を効率よくつぶしていくルート。だいたいこれを使えば6手で勝てる。
まず初手で STARE(見つめる)を打つ。これがチート級に強い。理由として、
- 高頻度の母音、子音が一気にカバーできる。
- Eの位置がいい(5文字の単語はEで終わるものが多い)。
が挙げられる。
だいたい1文字は黄色くなるので、次以降にかなり有利になる。消灯した場合はそれはそれで有利になる(かなりの単語を候補から削れるため)。
2手目ではR, Tの当たり具合によって入れる単語を変える。
RもTもはずれの場合
おすすめはHUMID(湿潤な)。これによって残りの子音のうち2つをカバーし、さらに頻出子音のHの情報も取れる。ほかに、QUICK(すばやい), COUGH(せき)もよい。QUICKはQが点灯した場合のラッキーパンチも狙えるので、運に自信のある方はぜひ。
というか初手で緑3つとかでもない限りどのパターンでも脳死でHUMID打っとけばいい。
R か T のどちらかが黄点灯
この場合は R, T の位置を探りつつ、他の文字(できれば母音)の情報を取りにいく。おすすめは ROUGH(あらい), TOUGH(丈夫な)の2つ。どちらが点灯したかで使い分けよう。
R, T 両方が黄色点灯
この場合は、R, T 両方の位置を探り、さらに母音を消していく。おすすめは FRUIT(果物)。Rの出現位置を考えれば、 RIGHT (右)も悪くない。
例外処理
まれに E, A の両方の母音が点灯することがある。5文字の単語で3文字の母音が含まれているパターンは多くないので、この場合は母音を削るより子音を削ったほうがいい。 T の被りはあるが、 THING(もの)を使うとよいだろう。
ADOREルート
初手ADOREで3つの母音について情報を取るルート。2手目ですべての母音をつぶしきれるのが強力。
まず初手で ADORE(あこがれる)を打つ。頻度の特に高い E と、A, O の3つの母音についてここで情報を取る。
2手目は「母音が2つ黄点灯したか」によって分岐する。
母音が2つ黄点灯
この場合は、母音の位置を確定させに行くのが強い。以下、当たった2文字ごとにおすすめの単語。
A, O: COAST(海岸)
O, E: TOKEN(しるし)
A, E: STEAL(盗む)*7
いずれの場合も、頻出子音 T のケアを念頭に置いている。
そうでない場合
母音の点灯が黄色1つのみ、点灯なしといった場合には、他の情報を取りに行った方がいい。
Rが点灯していない場合の2回目は HUMID がおすすめ。これで母音をすべてカバーできる。ただし頻出子音の T がカバーできないという難点がある。T の情報を取りたい場合は、出現率の一段落ちる U を外した SHIFT(移す), THING がいいだろう。
Rが黄点灯した場合は、R の位置探し、母音のカバー、 T のケアがすべてできる FRUIT が優秀。緑点灯の場合は SHIRT(シャツ)でもいいだろう。
実戦例
※以下、Wordleのネタバレを含みます
STAREルートによる実戦例(ネタバレ含)
- STARE を入力、R, E 黄点灯。
- R 点灯、T 消灯のパターンなので、ROUGH を入力。R, H 黄点灯。
- R, E, H の位置を探りつつ、まだ出てない I の情報を取りたい。この4文字のうち3文字を含む HELIX(らせん)を入力。これで H の位置が確定。さらに I がないことも確定。
- 一文字目の H に続く子音が思いつかない。しかし、唯一含まれる母音の E も個の位置には入らないことがわかっている。このことから母音の代わりとしてはたらくYが次に続くと考える。E, R を含む HYPER(超)を入力してクリア。
ADOREルートによる実戦例(ネタバレ含)
- ADORE を入力。全消灯。
- 1手目の全消灯を受けて、SHIFT を入力。I のみ緑点灯。
- 残りの U をケアするため、 JUICE(ジュース)を入力*8。I のみ緑点灯。
- 使われていない子音字をできるだけ使うように、 BLINK(点滅)を入力。これで L 黄点灯・I, N 緑点灯と、多くの情報が得られた。
- 「**INL」という単語は思いつかないため、「L*IN*」の可能性を考える。2文字目に入る適当な子音字が思いつかず、この場合も母音としてはたらく Y があると考え、LYING(横たわる)を入力。クリア。
おわりに
今回は、Wordleの序盤戦略を紹介しました。効率的に情報をとれば、勝率はぐっと上がります。
よいWordleライフを。
*1:単語として認められない文字列が入力された場合は、赤枠で文字が囲まれる。このときは無回答扱いとなるため、チャンスを消化せず答えなおしができる。
*2:日本では「ヌメロン」という呼称も一般的である。
*3:なぜ英語圏のゲームなのに更新が日本時間に行われているのかは、よくわかっていない。
*4:英文モールス信号では、Eが「トン」、Tが「ツー」となっている。この2文字に短い符号が割り当てられているのはこのためである。
*5:例外はCRYPT(暗号)、GYPSY(放浪人)などごく少数。
*6:ハードモードと呼ばれる仕様もあるが、ここでは扱わない。
*7:受験生向け: stealの目的語は「もの」になる。「人物Aから物品Bを盗む」は steal B from A の形になる。
*8:J, C の出現頻度を考えるとそこまで良い手ではなかった気がする。