【院試】院試アドバイス(外部受験生・東工大受験生へ)

 こんばんは。ミカグラです。

 前回は院試に合格したので、特大自分語り記事を書きました。

 

3qua9la-notebook.hatenablog.com

 

 今回はそれの続き(続き?)で、自分の経験が今後の大学院受験生に少しでも生きればと、知見をまとめた記事になります。

 特に、

  • 東工大の同じ系(情報理工 数理・計算科学系)を受ける人
  • 自らの所属する大学とは違う大学院を受ける(いわゆる外部受験をする)人

に届けばと思います。

 

 

 

外部受験について

研究室の訪問を積極的にしよう

 外部試験を受ける場合は、おそらくはよっぽどその分野に興味があるか、あるいはその研究室に興味があるかでしょう(どちらも、という場合もありますね)。その場合まずはじめにするべきことは研究室訪問です。

 興味を持った研究室には臆せずにコンタクトを取りましょう。たいていの場合には、教員のメールアドレスが、ホームページに書いてあるはずです。指導教員も自分の研究室を志望したいという学生に対していやな顔はしないはずです。そして研究室でやっていること、先生や学生の雰囲気などを事前につかんでおきましょう。

 

過去問を徹底的に研究しよう

 外部受験じゃなくても大事だよ。

 院試勉強においては、受ける大学の過去問を研究することが一番効果的です。受ける大学院・専攻を決めたらまず行うべきことは、最新年度の過去問を見て、どのような事項が問われるのかを確認することです。勉強計画を立てるのはそれからです。

 その後も勉強の指針として、過去問をうまく活用します。練習問題として解いたり、本番前に時間を計って解き模擬試験として使ったりなど、できる限り過去問を活用しましょう。

 また、多くの大学院では、院試の過去問は公開されているものの、その解答は公開されていないことがほとんどです。しかし、過去問の解答はあったほうが勉強が効果的に進みます。内部生の場合は研究室の先輩を頼って解答が入手できるらしいですが、外部生ではそうはいきません。知り合いのツテをたどったり、インターネットで探すなどして、何らかの手段で解答を入手しましよう。

 

仲間をつくろう

 先にも書きましたが、外部生は過去問をはじめ様々な点で不利が生じます。大学院試験は大学試験以上に、「情報」を握っている人間が有利です。外部受験生はその時点で大きくハンデをつけられているといわざるを得ません。そこをカバーするには、仲間をつくることが重要です。

 自分は3人の協力者と受験を乗り切りました。まず2人は、かつて同系を受けた東工大院生の方と、その方を仲介してくれたサークルの先輩です。点数の配分や勉強の仕方、点数の取りやすい大問(いわゆる「稼ぎ」)、面接など、非常に多くのことを教えてくださいました。

 もう一人は、一緒に同系を受けた別の学校のオタクです(サークルでつながっていた)。インターネットの過去問を教えたり、互いに入試情報を共有したりなど本当に「ともに戦ってきた」仲間でした。特に数理最適化は彼がいなかったらおそらく勉強していなかった(そして応用を3科目しか勉強せず本番に突っ込んでいた)ので、本当にありがたかったです。

 とにかく自分の人間関係を生かして、少しでも多くの仲間を見つけましょう。

 

東工大の過去問について

基礎力の養成が大事

 東工大の問題は、複雑で難しいことをする必要はほとんどありません。教科書にある基本的かつ重要な定義・定理の理解と、その活用力が求められます。ですから、まずは教科書にある定義・定理を理解し、頭に叩き込むことが重要です。随所にある例題や章末問題もうまく活用しましょう。

 それが終わったら、過去問を用いて演習をしましょう。わからなかった問題は、教科書やインターネットなどで解法を調べ、知識として定着させます。2周目には問題が解けるように仕上げましょう。

 

以下、各教科の解説。

線形代数学、微分積分学

 理系の学生であれば、ほとんどの場合微分積分学線形代数学は学部の授業でやっているはずです。少なくともどちらか一つは選択しなければいけませんから、まずはここを徹底的に復習しましょう。学部での授業で使った参考書、ノート、プリントなどをフルに活用しましょう。

 線形代数学では、行列の計算や行基本変形、固有値固有ベクトルの計算、行列の対角化などが主要なテーマです。また正定値行列に関する問題がよく出ますが、教科書によっては大きく取り扱っていない部分なので、インターネットにある教材を使って知識を補強しましょう。

 微分積分学は実は真面目にやってなかったのでアドバイスできません。すまん

 

離散数学

 問題Cで出される離散数学は、様々な分野から出題されるので、対策が立てづらい分野です。ざっと眺める限り、例年の問題Cは、特に数理論理学や集合論をやっている人間に有利な問題が出るように思えます。これらを勉強している人は、問題Cを解くことを前提としてもよいのかもしれません。もっとも、微積と線型が両方できればそれに越したことはないですが……

 

代数学

 群論・環論の主要な知識が求められます。群論は、巡回群準同型定理、中国剰余定理など、標準的な教科書で扱う知識をカバーしておきましょう。環論については、イデアルの議論が頻出です。理解を深めておきましょう。

 また、剰余類環を扱ううえで、ユークリッドの互除法を使う場面が出てくることがあります。高校で学習した部分ですが、計算できるようによく復習しておきましょう。

 

位相空間

 位相空間の基本的な言葉(開核・閉包・近傍 etc.)や、直積空間・部分空間・商空間といった知識は必ず押さえておきます。また、連結空間・コンパクト空間・ハウスドルフ空間については、定義の確認だけでなく、ある位相空間がそうした性質を持つかどうかをしっかり論証できる力までつけておきましょう。

 距離空間に関する問題は、向こう数年間では出題されていません。

 

線形計画問題

 シンプレックス表を、信じろ。

 毎年東工大線形計画問題は稼ぎといわれています。実際線形計画問題の対策はやろうと思えば3日もかからず終わります。これだけの勉強時間で選択できる科目が1分野増えると思えばとても強いです。

 上であげたシンプレックス表に加えて、双対問題・相補性定理・多段階シンプレックス法といった事項を勉強すれば、対策としては十分でしょう。

 

オートマトン

 これも毎年極端に難化することはなく、得点源にしておきたい分野です。

 有限オートマトンによって認識される言語は正規言語と呼ばれ、これは正規表現という記法によってあらわせます。また、文脈自由文法によって表現できる言語を、文脈自由言語といいます。まずは、ここに出てきたキーワードを中心に学習を進めましょう。

 また、pumping lemmaについては、これを用いてある言語が正規言語でないことの証明をする道具として頻出です。演習を積んで自在に使えるようにしておきましょう。

 

 以上です。なんか聞きたいことがあれば(アットマーク)hungry_and_foolに質問してください(って書いたほうがいいよね?)。

 未来の院試受験生が、希望通りの道に進めることを願っております。